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シスコン
【コメディ 恋愛小説】

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シスコン『第一章』-3

「納得いかない。」
ここは某ファミレス。
「なにがだ。」
品揃えも悪くなく、日々人が絶えない、成功例とも言えるファミレス。
「なんであの浜崎優魅って子は………秋冬に付きまとうの?」
そこに、目茶苦茶機嫌の悪い春夏と、
「知らねぇよ。好きなんじゃねぇの?秋冬の事が……さ。」
目茶苦茶機嫌の悪い澄が一緒にドリンクを飲んでいた。
何故、澄の機嫌が悪いのか。
それは、春夏が無理やり澄を引っ張ってファミレスに付き合わせたからだ。
「『彼女いない歴=今まで意味無く重ねてきた年齢』の秋冬に女の子がよってくるわけないじゃない。」
「ひでぇ言い様だな…。」
二人は同時に溜め息を吐いた。そして同時にドリンクを飲む。
「チョコパフェね。」
「………はぁ?」
春夏が澄に注文をした。澄は明らかに嫌がる。
「おごってよ。いいでしょ?」
澄は逆らえないと悟ったのか、素直にボタンを押して店員を呼んだ。
「今日はありがとうっ。」
優魅の帰る時間になった。秋冬は玄関まで送る。しかし、タイミングが悪かった。
「ただいま………!!??」
優魅と春夏が玄関で会った。
「あ………あんた私の家でなにしてんのよぉ!?」
春夏が優魅を勢いよく指差した。
「秋冬君と勉強していたんですよ?」
優魅は靴を履く。春夏は口をパクパクさせている。
「お邪魔しましたぁっ。」
『バタンッ』
扉が閉まった。春夏が秋冬を睨む。
「まさか……あぁぁんな事や…こぉぉんな事をしてたんじゃないでしょうねぇ?」
秋冬は軽くあしらう。
「馬鹿言ってねぇで、姉貴も勉強しろよ。」
秋冬は二階にあがる。
「あっ………秋冬ぉっ!!??」
『バタンッ』




翌日

「………テストまで…後三日だな。」
澄がつぶやいた。教科書を、ただ意味無くペラペラめくっている。
「あぁ……そうだなぁ。」
秋冬は適当に返事をした。澄は教科書を丸めて秋冬の頭を叩いた。
「いってぇっ!」
「気楽でいいよなぁ……、お前は学校辞めちゃえばいいもんな。」
秋冬は頭を押さえながら溜め息を吐く。
「いや……さすがに将来的に………」
「四世秋冬ぉぉぉぉぉ!!!!!」
教室に誰かが入ってきた。
「よくも………よくもオレのマイヴィーナスをぉぉぉ!!!」
その男は秋冬の前に立った。
「………誰?」
秋冬がその男を指差して、澄を見た。
「ん…あぁ、二組の……」
男が秋冬の机をバンッと叩いた。
「真山健一(まやまけんいち)だ!!!」
健一は秋冬を指差した。秋冬は舌打ちをした。
「四世秋冬!!オレと勝負しろ!!!」
「………はぁ?」
健一は続ける。
「お前なんかに『マイヴィーナス優魅』を渡すかぁ!!!三日後の期末テストで順位勝負だぁ!!!」
秋冬は教科書を机の中に入れた。
「拒否。」
「オレが勝ったらマイヴィーナス優魅を渡せ!!!!」
「問答無用かお前はゴラァ。」
秋冬はイライラしている。
「オレが負けたら……いやっ、それはありえないな。」
健一はふん反り返る。
「………。」
秋冬は頬杖をついて、そっぽを向いている。
「返却日が楽しみだ。わっはっはっ。」
健一は帰っていく。
この学校は、テスト明けの月曜日に全校一斉返却をするのだ。


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