まさかのAVデビュー 美織-4
「オッケーでぇ〜す」
「どういうこと」
「だから撮影だってば、迫真の演技だったわよ」
「演技じゃないよ、本当に強姦してるつもりだったんだよ」
泥酔しているとばかり思っていた美織は酔っていなかった。アルコール臭は香水を使ってごまかしていたと言う。
「AV女優舐めんなよってね、私が飲んでたのは焼酎じゃなくて水の水割りよ」
「俺たちが飲んでたのは焼酎だったはず」
「テーブルの下に隠してあったのさ、ごめんよ、美織ちゃんが徹の演技を見たいって言うから一芝居打ったんだ」
「驚かすなよ、もう俺は捕まるの覚悟したんだぜ」
「これ今回のギャラ、一万円」
美織が素っ裸のままバッグから万札を取り出して渡してくれた。
その夜の映像は編集されて売り出されることになった。販売前に見せて貰ったら俺と栄一の顔にはモザイクが掛けてあった。美織の叫び声はとても演技とは思えなかった。俺は本気で強姦したつもりなのにどこかぎこちなさが残っていた。
栄一は撮影と出演で五万だそうだ、美織の取り分は残り全額だと言うがサブスク全盛の時代になり儲からないと言っていた。
「うちらの仕事って儲からないのよ、出演料払って女を雇ったらやっていけないの、だから私が出演してるって訳」
「そうだったんだ、俺も言い思いさせて貰えたから満足だよ」
「次の企画が決まったら連絡するからそん時もよろしくね」
「今度は企画教えてくださいよ」
「さあどうかしら」