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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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解放感-2

 『〇〇さん…恥ずかしいと思えば思うほどますます恥ずかしくなってしまうのですよ? はい、もう一回、セリフを読んでみましょう』

 この時間が一刻も早く終わらないかと願いながら、わたしは渋々セリフを読み上げます。

 『…お…お願い…です、どうか、このわたくしを…』
 『もっと大きな声で、ハッキリと!』
 『お願い…です、どうか、このわたくしを…』
 『まだまだ! もっと、気持ちをこめて!』

 (なんでわたしがこんな目に遭わなければいけないの…)。やけっぱちな気持ちになってきます。

 『お願いです! どうか! このわたくしを! あなた様のおそばに置いてくださいませ!』
 『そうよ! その調子! なんだ、ちゃんとできるじゃないの!』

 練習が終わる頃には、わたしはすっかり涙目になっていましたが、はじめて先生に褒められて、なんだか吹っ切れたような…そして、少しだけ成長したような気がしたのを覚えています…。

 「アエ! アエ! オエ! オエ! アエ! オエ! アオ! アオ!…」
 「ふん! はん! くう! あう! おう! うん! はん! あう!…」

 いつの間にか、お相手も声を上げています。正常位で抱きしめられているので、顔の表情まではわかりませんが、徐々に昇りつめていっている感じが伝わってきます。ただ、テンポは一定のまま、精密機械のようです。…そんな人のことをどうこう言っているよりも、わたし自身がかなり切迫してきました。脳の中でなにかホルモンが分泌されてくるのでしょうか。恥じらう気持ちを忘れて快感を味わう幸福感に包まれていきます…。

 「オウ! オウ! オエ! アウ! ウオ! オウ! アオ! アオ!…」
 「はん! はん! あう! あう! ふう! くう! はん! あう!…」

 最後はなにもかもぐちゃぐちゃになった…みたいな感じの中で、二人とも絶頂に達してしまいました。ベッドの上に仰向けになったままで、わたしは身体に力が入りません。でも、なんだか青空の下にでもいるような不思議なさわやかさも感じて…。

 お相手が身体を離したままの形で、両足は膝を立てて開いたまま…。股間からはお相手が絶頂に達したしるしの白い液体を垂らしたまま…。その様子を観かねたのでしょう、お相手がわたしにシーツを掛けてくれます。
 
 「すみません…。お許しを得ていたとは言え、思いきり中で出させてもらってしまいました…。それにしても気持ちよかった…こんな解放感に浸ったのは初めてかもしれません」

 お相手が話しかけてきます。『解放感』という言葉がお相手から先に出てわたしは一瞬戸惑ってしまいました。

 「あら…解放感…ですか?」

 自分も、かなり解放感を感じていたくせに、素直に感想を口にする機会を逃してしまいました。

 「ええ…。かなりの『解放感』…。解放感というかもっと上の…トランス状態と言った方が合ってるかな…。こう、腰が勝手に動いていくような…止まらない感じで…」

 トランス状態…って、錯乱、みたいなことでしょうか。そう言われてみれば、わたしも錯乱…できていたかもしれません。

 「わたしも…。普段はこんなんじゃない…って思っているのですけど…なんだか恥ずかしい…」
 「そうですか? 終始堂々となさっていて、安心して飛び込んでいけたと思っているんですけどね…恥ずかしがっているようには思えなかったけどな…」

 優しい顔でさりげなくグサッとくるようなことをおっしゃっていますが、十分な年の差もあることですから、言われるとおりにお感じになったのだろうと思います。

 「ボク…実は、お寺の人間でして。まだ住職じゃないんですけどね。ひたすらお経を読んで木魚を叩いてお勤めするときに、たまに味わうような気分…耳から昇りつめるというか…」

 同じリズムで突かれ通した理由が分かった気がしました。それって『法悦』…? 不謹慎にもそんな言葉を思い浮かべてしまいました。弦楽器でもドラムでもなく、せいぜいお寺の木魚みたいなわたしでしたけど、お役に立てたのならうれしい…。わたしも解放感をたっぷり味わうことができました。

 「『恥じらう気持ち』を忘れるって大事なことですね…」

 これって、わたしが言ったんじゃありません。次回の約束をしながら、別れ際の名残りにお肉棒をしゃぶらせているお相手が言ったお言葉なんです。まだ住職じゃないそうですし、グサッとくることを言ってしまうのは大目に見ます。そのかわり、次回もご立派なお一物をグサッと突き立ててくださいね…。


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