投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

ある熟女の日々の最初へ ある熟女の日々 126 ある熟女の日々 128 ある熟女の日々の最後へ

解放感-1

 家を離れてせっかく他所の男と交わるときには思いきり解放感を味わいたいという思いがあります。夫が寝ているすぐ横で声を押し殺して自分を慰めるということを長年続けてきましたから…。恥も外聞もなく何もかも忘れてしまいたい…みたいな。

 でも、自分からいきなりすべてをさらけ出すことはできません。そのように振舞うことができればいいのですが、昔から人の目を気にする引っ込み思案な人間でしたので…。中学校の学芸会で、くじ引きで主役にされてしまったときの恥ずかしかったこと…。しばらく学校に通うのがいやになりました…。

 今さら、自分が品行方正な女だなどと言うつもりもありませんが、妖しい微笑みを浮かべてみたり、大股を拡げてポーズを作ってみたり…そんな仕草で男性を誘うような芸当はとてもできそうにありません。…というか、仮にそんな仕草を身につけていたとしても、勝手に暴走してみたところで、男性の気持ちも引いてしまうことでしょう。結局、そんな風に振舞ってみても、自分を解放するということとも違うような気もするのです。

 せめて、男性の動きに合わせて、甘い声を上げる…ということぐらいできればいいのですが、そういうのも苦手です。夫とするときも声を出したりすることもありませんでしたし、アダルトビデオの女優さんは演技だからなさっているだけで、同じことを期待されているとしたら申し訳ないくらいうんともすんとも言わないでいることが多いのです。
 
 こちらにしてみても、男性がやたらと声を出したり、なにかをつぶやいたり囁いたりするような人だったら…ほどほどならいいのかもしれませんが、あまり行き過ぎたら、やっぱり「引いて」しまうと思うんです。せっかくの出逢いのときでも、お互いただ黙って事が終わる…ということが多いのです。

 …そんなことを思って、なんとなくモヤモヤもしていた頃に出逢ったお相手…。事前のメールでのやり取りからは予想外のスキンヘッドの方。でも、決してコワモテではなく、むしろヤサオトコ…。わたしよりも少なくとも10歳か20歳近く年下に見えました。このような出逢いに慣れた感じもなく、一応、お互いモジモジと事を進めていきます。

 「入れますね?」
 「はい………ん、んんーん…」

 満足感らしきものを伝えてテンションを高めていただけるように、わざとらしい声を出しながら、お相手を受け容れていきます。同年代か年上の男性だったら、ひたすら自然のままで接するので、無言のままでしょう。

 「入りました…あぁ…気持ちいい…」

 お相手も社交辞令でしょうが、満足感らしきものを伝えてくださいます。年がかなり上というのは承知の上でこうして逢っていますが、いざ繋がってみればその感覚に満足できているのかどうか気になります。お相手は、わずかなりとも本物の満足感を得るためでしょう、腰を動かし始めます。

 「んん…あん…んん(?)………アォッ!…」

 わざと出したんじゃありません…。思わず出てしまいました。小指の角を何かにぶつけて思わず(イタっ!)と叫んでしまったように。男の人のモノ…が、いつもは届いてこないところに突き当たったはずみに…。ついさっきキスしながらさりげなく手を添えてみたときには、特別、太くも長くもないように思っていたのに…。わたしの中に入ってから、さらに『成長』したのでしょうか。思わず、甘さ成分ゼロの声を出してしまって恥ずかしいい…。気を引き締めます。

 「あんっ…あんっ……あんっ……アォッ!」

 ダメです…。声を作っていられたのは3回まで。4回目には元の叫び声になってしまいました。お相手は、なにか手ごたえを感じてしまったのでしょうか。リズムを刻んで腰を突き入れてきます。

 「アォッ!…アォッ!…アォッ!…アォッ!…」

 寸分の狂いもない正確なリズム感で突かれて、わたしは、ただただ音声を発し続けています。出そうと思って出しているのではないんです。ただただ音声を発してしまう…。歯を食いしばって声を殺そうとすることも許されない感じです。小説などでは女性を楽器…くびれを持ったチェロとか…になぞらえることもあるようですが、甘い旋律を奏でる…なんていうものではなく、これではただの打楽器…。男の人はさらに腰を強く、そしてテンポを速めて突き入れて…まさに、本腰を入れてきます…。

 「アエ! アエ! アエ! アエ! アオ! アオ! アエ! アエ!…」

 滅多突き…とでもいうのでしょうか。もはやドラムにでもなってしまったようです。否応なく耳に入ってくるわたしの無様な声…。突然、わたしが中学生の頃の思い出…演劇部の人たちが発声練習をしている光景が頭を過ります…。体育館のステージに立って、大きな声を出して…。

 『あ! え! い! う! え! お! あ! お!』

 演劇部の人たちは、今にしてみればおませな男女だったように思いますけど、当時のわたしには、(よくそんな恥ずかしいことが人前でできるなぁ…)と思いながら練習風景を眺めていました。そんな心構えから罰が当たってしまったのでしょうか。運悪くくじ引きで主役を引き当ててしまったわたし。学芸会に向けて、みんなでセリフを読み合わせるのも恥ずかしくて、先生が困った顔をしていたのが思い出されます。


ある熟女の日々の最初へ ある熟女の日々 126 ある熟女の日々 128 ある熟女の日々の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前