睦夫との別れー2-2
また二週間後がやってきた。睦夫からのメールが届き、時間が示してあった。前のことがあったので、睦夫は時間を早めていた。三時半にホテルだった。
奈岐はそういう心遣いが睦夫の素敵なところだと思い、これで最後になることに切ない思いが湧いて来ていた。
当日になり、確認の電話がいつものようになった。
「奈岐ちゃん、今度のデートも大丈夫かな?」
「ええ、、、、、でも、、、、」
「どうしたの?」
奈岐は人が聞こえない場所に歩いていき、
「睦夫さん、今日で最後にしたいの、お願い、、、
睦夫さんには本当にごめんなさい、私の人生のためにこれで終わりにしたいの、わかって」
睦夫は黙って聞いていた。奈岐は続けて、
「睦夫さん、ありがとう、本当にこれまでのことは感謝しています。だから、今日は一緒に過ごしたいの。それで何も言わずに終わりにさせて」
睦夫は、胸が詰まって何も言えず、黙っていた。奈岐は、
「お願いね、約束してくれるなら今日は行くわ」
睦夫は、
「わかった、そうする」
と声を振り絞って答えた。
いつものように、ホテルのフロントで落ち合った二人はまだ明るい陽光の中、エレベーターへと急いだ。エレベーターの中では、奈岐が睦夫の腕をとった。そして柔かく弾力のある乳房を睦夫の腕に押し付けた。
部屋に入っても睦夫はそのことについて問い詰めることはしなかった。この情事が永遠に続くということなどあるわけもなかった。そういう意味で睦夫という男はあっさりとした潔い男だった。だからこそ奈岐も惹き付けられたのだと思う。
二人はいつものようにベッドサイドで抱き合った。唇と舌を絡め唾液を思いきり吸い合った。そしていつものようにお互いの服を脱がしていった。睦夫が奈岐の上着とスカートを手際よく脱がせてベッドに置くと、奈岐の下着姿を見つめた。もう最後かもしれない、目に焼き付けておこう、と思った。
薄いピンクのキャミソールに隠れた赤紫のブラが妖艶さを表現していた。透けて見える赤紫のショーツは奈岐の少ない陰毛がはみ出すほど小さかった。奈岐は今日のために精一杯のおしゃれをしたつもりだった。愛した睦夫との最後のセックスを最上のものにしたかった。
睦夫は奈岐の気持を感じて、丁寧にキャミソールを剝いでいった。そして赤紫の上下のみに包まれた奈岐をまたしばし見つめた。美しかった。こんな美しい女性と愛し合えて仕合せだった。そして、ついにブラのホックを外し肩から剝ぎとり、ショーツをはぎ取った。そしてまた、奈岐のヌードを見つめた。
奈岐は恥ずかしかった、こんなに見つめられたことはなかったからだ。これまでも見られてはいたが、ここまで睦夫が真剣に自分の姿を見つめてくれていることに感謝しつつも恥ずかしかった。少女のような気持ちが湧いてうつむいていた。
睦夫は自分でシャツとパンツを脱ぎ捨て隣りのベッドに放り投げた。
睦夫は、いつまでも女々しい気持ちは持つまい、今日も明るく奈岐と一緒の過ごそう、と思い直した。
「奈岐ちゃん、最後だけど奈岐ちゃんをいつものように精一杯愛したい。
奈岐ちゃんにもそう思ってほしい、よろしくお願いします。
今日はいつものように過ごそう、いいね」
「うん、睦夫さん、ありがとう」
奈岐はそう言って、睦夫のおちんちんを優しく手に取り、愛撫するというより愛おしむように撫で続けた。
睦夫は奈岐に呼応するように、奈岐の胸を優しく揉んでいった。そして人差し指と親指で奈岐の敏感なピンク色の乳首を擦り撫でた。睦夫は両手で奈岐の乳房と乳首を優しく愛撫し続けた。奈岐が愛おしかった。
そして睦夫は奈岐のうなじにキスし、舌で濡らしていった。美しいうなじは睦夫の唾液で光っていた。奈岐は、
「あん、、、、あん、、、、、あん」
と小さな吐息を漏らし始めた。奈岐の首筋を睦夫の舌が這っていった。舌が肩へと辿り、胸元へと戻ってきた。
そして、睦夫はしゃがんでいき、奈岐の大きく張りのある左の乳房へと舌を運んだ。きれいな肌を睦夫の唾液が濡らしていった。乳輪を唾液が濡らしたあと、乳首へと向かった睦夫の舌はコリっと固くなっていた乳首を通り過ぎ、下からぺろっと乳首を撥ね上げた。奈岐に快感が訪れ、
「あん、、、」
と声を上げた。睦夫は乳輪ごと乳首を口に含み、ちゅぱちゅぱと乳首を弄び始めた。そして右手で奈岐の右の乳首をいじり始めた。奈岐は睦夫の優しい愛撫が愛おしかった、
「あん、あんあんあんあん、、あんあんあんあんあん」
いつもより快感が強く愛しく感じた。そのことを今日、奈岐は声に、身体に表現したかった。奈岐は手を伸ばして優しく睦夫のおちんちんを触っていた。亀頭を指でさわさわと愛撫していた。睦夫に感じてほしかった。手を口に戻して奈岐はありったけの唾液を纏わせ、睦夫のおちんちんに擦り付け、亀頭をぬめぬめと撫でた。睦夫は、
「ああああ、、、奈岐ちゃん、、、気持ちいい、、、」
と呻き、右手に唾液をつけて乳首に擦り付け勢いよくぬめりとはじいた。
「あん、、ああ〜ん、、、あんあん、、、あんああ〜ん、あんあん」
奈岐は気持ち良さにのけぞった。
お互いの身体をこんなに熟知して快感に酔う二人がこれで別れるなんて、、、二人に名残惜しさが襲っていた。睦夫は丹念に奈岐の身体を愛撫するため、奈岐の両足を掬いあげて奈岐をお姫様に抱いて、ベッドに降ろした。