山田優子の素性-9
そこへ石山からの内線が入る。若菜はスピーカーにして通話ボタンを押した。その連絡に若菜、マギー、森山の全員は耳を疑った。
「上原、今、山田優子が出頭してきた。」
「え!?ホントですか!?」
重要参考人としてその行方を追わなくてはならないと決断した矢先の事に3人は驚いた。
「知ってる事を全部話すからマギーに会いたいと。」
「わ、私??」
何故指名されたかは分からない。
「今から取調室3に向かう。来てくれるか?」
「分かりました。」
内線を切った後、マギーは若菜と目を合わせる。
「どう言う事…ですかね?」
「分からない。ただ犯行を自供しに来た訳ではなさそうね。知ってる事を全部話す、その後はどう来ると思う?」
「助けてほしい…?」
「私もそう思う。て事は西進不動産を爆破した人間に狙われてるって事になるわね。」
「山田優子が永妻と後藤健司を消そうとしたのではなく、山田優子も同じ犯人から狙われてるって事か…」
「ですね。とにかく取調室3に向かいましょう。」
3人は3階にある取調室3に向かう。
「てかなんでマギーなの?」
「前の爆破時に取り調べしたし、話しやすいんじゃないですかね。歳も近いし。」
「あんたより私の方が安心感あると思うけどねぇ。」
「いやいや、警視総監が目の前にいたら嫌ですよ、何か。それに下手な事言って殺されたらたまんないし♪」
「あ、あんた人の黒い過去をサラッといじってくれるわね…」
「冗談ですよ、冗談。」
「いーい、シャレになってないからね??」
「上原さんだってシャレになんない事、いつも私に言ってくるじゃないですかぁ。」
「何よー。例えば彼氏の胸の中に忘れられない人がいて、その人に勝てなかったから身近なイケメンに鞍替えしたとかぁ??」
「あっ!!そ、それ言いますかーっ!?」
「アハハ!」
「それに鞍替えとか、人聞き悪いし!」
「もー、この前まで処女だと思ってたらいつの間にかプレイガールになっちゃってさー、マギーちゃん♪」
「…お願いです、死んで下さい。」
「ヤダ。昨日命拾いしたばっかだし♪」
「…(マジでムカつく…)」
「♪(あ、ムカついてる♪)」
これから重要な取り調べに臨むと言うのにマイペースな2人に森山はついていけなかった。