圭子さんが-1
今週は恵美さんの指名でアルバイトをしたし、金曜日の明菜さんとの別口のバイトもあるのでアプリでのバイトはもうしないでおこうと思っていました。が、水曜日の午前中の講義が終わって学食でラーメンを食べていたら、ポケットの中のスマホが振動しました。
見てみると例のアプリが「圭子さんから指名があります、前の喫茶店で18時、6時間」「困ったなあ、今週はもういいのに、でも圭子さんが指名をしてくれたんだから僕に会いたいんだろうな〜何かあったのかな〜あの人息子さんを事故で亡くして相当落ち込んでいたからな、まあ、暇だし行ってみようか。」と思い「OK」のボタンを押しました。
昼からの講義が終わってから少し図書館へ行って勉強をしてから、約束の時間前に喫茶店で本を読みながら待っていました。
「こんにちわ、元気だった?」と急に声を掛けられたのでびっくりして顔をあげると、圭子さんが前に立っていてニコッと笑いました。「読書か〜真面目ね。」 「はあ、本ぐらいは読まないと、勉強の方がイマイチなので。」 「そんなことはないでしょう?謙遜しちゃって。ねえ、匠君、お腹空いたでしょう?」 「はあ、もうペコペコです。」 「よし、何がいい?」 「あ、ファミレスでいいですよ、僕その方がむいていますので。」 「じゃ、近くのファミレスに行こうか。」 「はい。」圭子さんはレジで支払いを済ませ外に出ると、僕の腕を持ち、「匠って呼び捨てでいい?あっている時は私の息子だから。」 「はい、呼び捨てでお願いします。僕もママと呼びます。」 「うん、お願い。た・く・み、可愛いわ。」 「うん、ママも綺麗。」 「まあ、この子はいつの間に口が上手くなったの。」と嬉しそうに笑っています。
しばらく歩いてファミレスに入り一番奥の目立たない席に座ってから、「何でも食べてね、私、匠がモリモリ食べているところを見ていると幸せなの。」 「はい、遠慮なく。」大好きなハンバーグととんかつのセットになった定食とデザートも頼みました。圭子さんは海鮮のセットとビールを頼んでいました。
圭子さんは僕がモリモリ食べているのを魚をつまみながらビールを飲んで楽しそうにしていました。「ねえ、この前のベルト使っている?」 「はい、今日もしていますよ、ほら。」 「よかった、喜んでもらえて。匠といると幸せよ、ママ。」 「うん、僕も幸せだよ。」 「アプリの中だけの親子、だけど・・・。」 「どうしたの?ママ、今日は元気がないけど。」 「え、そう、そんなことないけど。」と言いながらもビールを何度もお替りしていたので僕が心配になって、「ママ、何かあったの?」 「う、うん、実は主人と喧嘩しちゃった。ママ、息子が亡くなってから凄く暗くなってしまったって、いつまでめそめそしているんだ!って叱られたの。泣き続けていたら、パパが家を出て行ってしまって・・・。」 「え〜!パパはそれからどうしたの?」 「うん、お互いに頭を冷やすためにしばらく別々に暮らそうって、ま、別居?かな。」 「え〜!ママ、これからどうするの?」 「うん、パパともう一度ゆっくり話そうと思うの、お互いに納得できるように。ま、私が悪いんだけど、いつまでもくよくよしているからパパも嫌になってきたのかもしれない。」 「ママ!絶対に仲直りしてね!」 「う、うん、何とか仲直りするように頑張る。」
僕が食べ終わると、「少し散歩しようか?」 「うん、そうだね。」外に出るとすぐに圭子さんは僕の腕を取りもたれかかる様にして歩き始めました。「私、寂しいの。パパは怒って何処かへ行ってしまったし、家に居ても一人・・・。匠に会いたくて会いたくて我慢できなかった。今夜は会えて本当に嬉しいわ。」 「うん、いつでも会いたいときは指名して。」 「うん、そうする。でも今日は12時まで時間を指定してあるからゆっくりできるね。」 「うん、そうだね。」 「ねえ、何処か静かなところで二人だけでゆっくりしない?」 「え!二人だけで。」 「そう、母と息子で二人だけで。」 「は、はい、どこがいいですか?」 「うん、どこかのホ・テ・ル、嫌?」 「ぼ、ぼ、僕とですか?」 「そう、母と息子だからいいでしょう?」 「は、はい。ママが決めて。」
ママはタクシーを捕まえるとドライバーに行き先を告げました。
タクシーはよく聞くことのあるホテルの前に止まりました。すぐにドアボーイが来てドアを開けぼくたちをホテルの中に案内してくれました。受け受けで圭子さんはカードを貰ってから僕の手を取りエレベーターホールへ行きエレベーターに乗るとボタンを押して、僕を見て、「ねえ、ママのこと嫌い?」 「いえ、大好きですよ、もちろん。」 「じゃ、今夜は息子じゃなく彼氏になって。手当てをあげるから。」 「は、はい、僕でいいんですか?」 「匠だからいいの、私の息子。」
エレベーターを降りると少し廊下を歩いてからカードをかざし、ドアを開けて部屋の中へ。今までのような豪華な部屋ではなくシンプルなキングサイズベッドと窓際には二人掛けのソファーとテーブル簡易キッチンとそして広いバスルームだけの部屋でしたが、僕には十分な部屋だと思いました。カーテンを開けるとビルの夜景がよく見えました。外の景色を眺めていると、「ねえ、早く、来て。」と声がしたので振り向くともう圭子さんは素裸でベッドに寝ていて大きく股を開いて僕を誘惑していました。僕はカーテンを閉めてから服を脱ぎベッドに上がり圭子さんの上に覆いかぶさり抱き締めました。
「先にお風呂に入った方が良い?」 「あ、いえ、僕はこのままの方が好きです。女性の匂いと味が好きですから。」 「まあ、エッチな子。もうベテランなのね。」 「いえ、最近です、童貞を失ったのは。」 「え、なのに汚れた女性のあそこが好きなの?」