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こいびとは小学2年生
【ロリ 官能小説】

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麻衣ちゃん幸恵ちゃん・19歳うぶっ子の処女臭-4


 頬を赤く染めながら幸恵ちゃんが言った。心臓のバクバクや呼吸の乱れが起こっているのが手に取るようにわかる口調。言い終わったあとにひとつ強めに吐いた、気持ちを落ち着かせるための短めの生温かい吐息が店内の弱めの空調に乗って俺の鼻腔に届く。地味目の女の子の地味目の息臭。色っぽさとか「熱い吐息」みたいな妖艶さのかけらもない、なんなら綾菜ちゃんの息よりも「子供っぽい」幸恵ちゃんの息臭。唾液も、四分の一くらい飲んだアイスティーも乾いてしまうほど緊張した口から漏れる、19歳のちょっとぽっちゃりした女の子の息臭。初対面の緊張感が薄れてくるのと同時に、頭に回っていた血液が重力と煩悩に導かれて下半身へとゆっくり下りていく。

「どう、って……ま、まあ、かわいいと思うけど……」

 それは嘘でも社交辞令でもない。たしかに二人とも、百年に一度の美少女とか街へ出れば男たちがみな振り返るとか、そういうタイプでは決してない。けど、少なくとも俺にとっては好ましいタイプの子であるのは確かだ。しのちゃんがいなくて、相性が合うのがはっきりしていて、相手がその気になったらつきあったりしてた可能性はある。
 俺の返事に、幸恵ちゃんと麻衣ちゃんの赤面が一層濃くなる。幸恵ちゃんが膝の上に置いていた、ネイルもリングもない短い爪の両手で、ばっ、とアイスティーのグラスを握ったのは照れ隠しなんだろうか。
 幸恵ちゃんがうつむいたままになって、店内の有線に流れるMISIAがサビを頭から歌い終えるくらいの沈黙が流れる。その沈黙をどうにかしなきゃ、と鈍感な俺がやっと気づいたのと同時に、麻衣ちゃんがまだほのかに赤い頬の顔を上げる。

「あの……私たち大学に入ってすぐ友達になったんですけど、二人ともいままでずっと彼氏がいなくって……でも、一年生のうちはまだ無理だとしても二年生になったら出逢いとかあるよね、って言ってて……でも、まだ全然、そういうのがなくって、もしかして私達、男の人から見て、その、そういう魅力がないからなのかな、って……」

 隣で幸恵ちゃんが小さく、こく、こく、とうなずく。

「でも、こういうことってなかなか人に相談できなくって……大学の男の子で親しい人もあんまりいないし、家族にはちょっと、相談しにくくて……でも、前に琴美さんと一緒に相談したときのこと思い出して、あの、恥ずかしかったんですけど、私、あれからちょっとだけ自信ついたっていうか……だから、きっとちゃんと相談に乗ってくれるんじゃないかな、って、幸恵に言ったんです」

 これを言うのにかなり緊張していることは、かすかに震える麻衣ちゃんの肩と乾いて強さが増した息臭が示している。ていうか、「性」のニュアンスが多少入る話になりつつあるせいか、麻衣ちゃんの息臭にはいつもとちょっと違う成分が混じっているような気がする。
 てか、あれって相談って言えるのかな。とにかく自信喪失している麻衣ちゃんを琴美と激励して、思いつめたように見せてくれた麻衣ちゃんの処女おまんこをとにかく激賞した、ただそれだけだったんだけど。まあ確かに、麻衣ちゃんのまだおちんちんを知らないおまんこは手入れはされていないけれどもきれいでかわいかったし、あとこれは言う余裕がなかったけれど俺のような性格で俺のような嗜好の男が大学にいたら麻衣ちゃんの彼氏になる可能性は大なんだけど、たぶんこの二人はそのへんに気づいてないだけじゃないかって気がする。
 とかなんとか偉そうに思うのは、曲がりなりにも俺が二人よりも何年かは人生経験があって、いちおう童貞ではなくって、まだ一年未満だけど「こいびと」がいるから、っていうだけだ。二人の年齢、19歳の頃の俺なんて二人よりも悲惨だったしもちろんまだ童貞だったからおんなじように悶々としていたはずだ。
 だからそのあたりの経験談をしてあげて、そんな俺でもいまは「こいびと」がいて幸せに過ごしているから二人だって大丈夫だよ、と言ってあげれば、実際説得力も多少はあるだろうしそれで十分なんだけれど、「どんな人とおつきあいしているんですか?」と聞かれた瞬間に説得力はたぶん崩壊する。こいびとは小学2年生、いや進級したから小学3年生だけど、この事実を冷静に理解してくれるのはこの世でさおりさんと怡君さんと怡君さんのだんなさんの三人だけだろう。あ、綾菜ちゃんも、だな。
 そして、できればちょっとくらいはエロトークに発展して、まあ琴美のようにあけすけに語る性体験はないだろうけど、たとえば彼氏はいないけどたまにいやらしい気持ちになって……みたいな話はしてくれるものなら聞き逃すのはもったいない。まして、今日の麻衣ちゃんの息臭は俺的に麻衣ちゃん史上最もエッチ臭い匂いがするし、幸恵ちゃんの息臭も俺好みだ。幸恵ちゃんも、もともとそうだとわかっている麻衣ちゃんも、見た目や雰囲気や息の匂いが大谷のストレートみたいに絶妙に俺のストライクゾーンを突いてきている。この打席、見逃し三球三振で終わったらあまりにももったいない。ヒットは打てなくてもファールで多少は粘りたい。


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