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こいびとは小学2年生
【ロリ 官能小説】

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搭乗口のHUG-1


 宮古島からの便から降機したPAXから、財布を座席ポケットに忘れたかもしれないとの電話が入り、琴美がそれに対応している。支店長は今日もエンストしたハイゼットカーゴの処遇をどうするかを空港施設管理者と話し合っている。麻衣ちゃんは大学が春休みに入り同級生達と今度は某夢の国へ遊びに行っていて休みだ。カウンターでチェックインを担当できるのは俺しか残っていない。
 うちのチェックインは昔ながらのペーパーチケット式で、ネット予約したPAXにはスマホや携帯電話の画面に三次元コードを表示してもらい、カウンターのプリンタで座席番号の入ったボーディングパスを発行する。搭乗時にはこれをゲートのBPR(ボーディングパスリーダー)にかざして通過する、割と昔ながらの方法だ。
 列に並んでいたさおりさんがスマホの画面を俺に示す。その隣でさおりさんの左手を握って立っているしのちゃんが俺を見上げる表情はどことなく硬い。

「しの、飛行機乗るのは生まれて初めてだから、緊張してるのよ」

 俺からボーディングパスを二枚受け取ったさおりさんが笑いながら言った。

「今日のキャビンアテンダント、すごくやさしい人だからいろいろ頼ってみてください。俺の大切な友人が今日の便で宮古島に引っ越すって話しました」

「ほんと?じゃあ甘えちゃおうかなあ。ふーん、『大切な友人』ね。うん、間違ってはいない」

 さおりさんの含み笑い。冗談なのはわかっているけれど、あえて冗談を言って明るく過ごそうとしているのを感じ取ってしまう。しのちゃんは、やっぱり緊張した表情のままだ。

「ここ、上で飛行機見れるんだっけ」

「はい、そこの階段上がると展望デッキに出られます」

「ちょっとしのを連れて行ってみるね」

 二人のうしろに別の家族連れとサラリーマンのグループが並んだのを察したさおりさんが、しのちゃんの手を引いて階段を上がっていく。家族連れ三人分のボーディングパスを発行しながら、その後姿をそっと目で追う。しのちゃんを抱きしめたい。飛行機は怖くないよ、柚希ちゃんっていうやさしくてかわいいCAさんに面倒みてもらうといいよ、それから……いや、言葉はもういらない。しのちゃんをきゅっ、と抱きしめて、俺としのちゃんはいつも一緒だよ、と身体で伝えてあげたい。
 搭乗予定客全員のチェックインが完了した。指先をエンジンオイルでベタベタにした支店長がロビーに戻ってきた。財布を忘れたPAXのために駅の改札口まで届けに行っていた琴美も息を切らせながら帰ってきた。手を洗った支店長と琴美が機内清掃で出たゴミ袋を搭乗口で柚希ちゃんから受け取り、それをハイゼットカーゴの荷室に放り込んだら出発準備完了だ。ロビーの窓越しにサムアップする琴美の姿を確認し、搭乗手続き開始のアナウンスを入れるためのチャイムを鳴らす。ロビーやコンビニにいたPAXが三々五々、適当に列を作ってBPRを通過しスポットに出てタラップを上っていく。入れ替わりになぜか琴美が下りてきた。支店長はタラップ車の運転席にいる。

「どした?」

 顔を軽くしかめてゲートに戻ってきた琴美に声をかける。俺の真横に立って小声で琴美がささやく。

「や、なんか、ぽんぽん痛くって。さっき走ったからかな」

 ああ、そういえば琴美、毎月のものが始まりかけると胃腸の調子も悪くなるんだったな。てかなんで俺、琴美の彼氏でもなんでもないのにこいつの周期なんとなく知ってるんだ。

「ちょっと……いい?抜けて。ギャベ(ごみ)出しついでにあっちのトイレ行ってくる」

 あっちのトイレ、は、乗客が立ち入れない制限区域にあって建物も比較的新しいからきれいだ。俺も柚希ちゃんの息臭でどうしようもなく勃起が収まらないときに利用したことがある。

「おけ。ハイゼット、すぐエンストするから気をつけて」

 片手で手刀を振った琴美が小走りでハイゼットに乗り込み、前のめりみたいになりながら制限区域へのゲートへギアを入れる。それとほぼ同時にロビーの階段をさおりさんとしのちゃんが下りてくる。

「お兄ちゃん、行ってきます」


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