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ガリガル!!
【コメディ 恋愛小説】

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ガリガル2!!-4

なるべく人通りの少ない道を選んで、あてもなく歩く。
理由?
なぜか涙が溢れてくるから。どんなに堪えても、堪えても…。
分かってたのに。釣り合わないって、分かってたのに…。私のことなんか好きじゃないって、分かってたのに…。どうしてこんなに、辛いんだろう…。
私も普通の女の子なら…可愛いかったら、こんな気持ちにならなかったかな…。普通に好きになって、普通に告白して…。
そうなりたいな。もし、私が女の子らしい外見になったら…響平は私を見てくれるかな。
なりたい、『女の子』に…!なれるかな、『女の子』に…。
やっぱり、響平のこと諦められない。ただの友達だなんて思われたくない…女の子って思ってほしい。

―変わろう。

ふと顔を上げると、目の前にあった美容院のガラスに映る自分と目が合った。
短い髪の毛、化粧気のない顔、長いスカート…。
「変わろう…」
実際に口に出して呟く。
私はカバンから財布を取出し、中を確認した。うん、大丈夫。バイトの給料日が昨日で良かった。
大きく深呼吸してから、私は美容院の中へ入っていった。


部屋の全身鏡で今の私を見る。
「キモくない…?」
それが第一声だった。
ショートカットの髪は、胸までのロングヘアーになり、赤いチェックのスカートは腿と膝の真ん中辺り、ナチュラルなメイク、そして唇が潤いを帯びている。


美容室でエクステを付けてもらった私は、真直ぐモコの家へ行き、驚いた顔をするモコに「何も言わず、スカート短くして!」と泣き付いた。
「わ、分かった!じゃあ、脱いで」
「あ、うん…」
モコが投げてきたジャージを履き、待つこと数十分…。
「出来たぁ!!」
モコが私のスカートを広げる。
「切り過ぎじゃない?」
私は誇らしげなモコに言う。
「いぃの、いぃの!チィは足長いから、こんぐらい切って丁度良いの。履いてみ?」
言われるがままにスカートを履く。なんか、軽いような…。
「ありがとう、モコ」
「これでもデザイナー志望。それなりに仕立てもできなきゃいけないもんねぇ。…チィ、頑張ってね!」
私は頷くと、次はアリの家に飛んでいった。
「何も言わず、私にメイク教えて!」
「何か雰囲気違う。まぁ、入りなよ」
アリはメイク道具をズラ〜ッと並べ、腕組みをして少し考えると、私に「目、瞑ってて」と言い、時折目を開けさせメイクのポイントを言いながら、どんどん進めていった。話を聞きながら、じっと座っていること数分…。
「はい、目開けていいよ。ピンクのグロスなら、学校にもしていけるからね」
私の顔が映るよう、アリは鏡の角度を調節した。
「これ、私?」
「そう。チィ、ナチュラルメイクなのに可愛いくなるねぇ。すっごいキレイだよ!」
鏡に映っているのは、私のようで私じゃない。顔全体にメリハリがあって、今まで見たことのない私…。
「ありがとう、アリ!」
「そろそろ帰んないといけなくない?これ、全部あげるから。明日もお弁当期待してんだからね!」
「あ、うん!!本当ありがとう!それじゃ、バイバイ」
「ばいばーい、頑張んなよっ」
そして、急いで帰り、今にいたる。
ふと時計を見上げると、もうすぐ明日になろうという時間帯だった。
「寝なきゃ…」
シャワーは明日浴びるとして、私はそそくさとベッドに潜り込んだ。
これで響平は、私を恋愛対象に入れてくれるだろうかと、淡い期待を抱きながら…。


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