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ガリガル!!
【コメディ 恋愛小説】

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ガリガル!!-1

「…ゥ、ゥオェェーっ…ゲホッ…うぅ…ウップ…ゥエェェ〜っ」
ごめん…取り込み中なんで…。ちょっと柚子のことほっといてくれる…??


オホン…どぉもぉー!いつも元気な古賀 柚子ちゃんどぇす!18歳、高校三年生です!気分も体調も回復したぜっ!!…え、何してたかって?お察しの通りですよ…えー、言うんですか!?…ゲロってた…ええっ、ゲロってましたよ!!じゃあ、何で柚子がゲロってたか話すので。ちゃんと聞きなさいよぉ?

それは三日前に遡ります。柚子は大好きな彼氏Α介と一緒に柚子の部屋でノンビリしてました。
「ねぇ、ゆぅずぅ〜」
「ん〜何ぃ?」
「別れよっ」
「はぁ!?」
急でした。急過ぎでした。Α介は柚子と別れようとしました。
「いやだっ!」
柚子は別れる気などさらさらございません。
「理由教えて!!納得するような理由じゃなきゃ柚子は別れないから!!」
「…柚子、怒らない?」
Α介はギュッとクッションを抱き締めました。柚子はこくんと頷きます。
「じゃあ言うけど…」
どこからでもかかってきなさい!!
「柚子さぁ女捨ててるじゃん?」
柚子の頭は思考停止です。その代わりに『女捨ててるじゃん』が永遠リピートです。
「柚子めちゃめちゃ女ですが…」
確認のためにも声に出してみました。
「嘘だぁ。だってさ、塩辛と砂肝大好きなんでしょ?立ち上がる時よっこいしょって言うでしょ?そんで、下ネタ平気で言うでしょ?」
Α介の声がかすかに入ってきます。そして、それらは確実に当たっているのです。
「超アリエナイ!!」
柚子ってありえないんだ…ありえないんだ…。どうやら柚子は声に出してブツブツやっていたそうで
「柚子キモイよぉー。ソレにオレ、超可愛い子と付き合ってんだ!オレこれからその子に会いに行くからさっ」
と言われました。よく考えると、…考えなくてもわかるけど、柚子は二股をかけられていたようです。そして、柚子は彼女に選ばれなかったのです。だけど柚子はΑ介が好きなんです。別れたくないんです。
「ま、待って…まだ納得してないっ…」
柚子は、すでに立ち上がっているΑ介の足に縋り付きました。
「ヤダよー、離してよーっ」
柚子は、そのままズルスルと部屋中引きずり回されたあげく、しっしっと足で払い除けられてしまいました。Α介はここぞとばかりに、部屋を出ていきます。そして、ドアの隙間から少し顔を除かせて柚子に言い放ちました。
「アハハッ!柚子、変な顔ぉ!!何か汚いよ?じゃあ、バイバイッ!」
パタンと虚しくドアがしまります。トントンと階段を降りていく足音と玄関のドアが閉まる音がしました。柚子はしばらく呆然と座っていました。その間『女捨ててる』『変な顔』『何か汚い』という文字がぐるぐると柚子の回りを回っていました。
ふと全身鏡に目がいきました。あらまぁ本当ですね。柚子の髪はボサボサ、メイクもボロボロ、デニムのスカートは中心がずれ、体中には綿ゴミやら埃やらが付着しまくっています。とんでもない柚子自身の姿を見て、柚子は初めて「う…っわぁぁぁんっ!!」と大声を上げて泣きました。

次の日、柚子は、あまりのショックで?トイレの時?お風呂の時?ご飯の時?おやつの時以外全く部屋から出ませんでした。


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