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上野家のある週末
【SF 官能小説】

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新たなる訪問者-5

ベガァ人達と関係した事は、正輝を人質に取られ媚薬を盛られて強要された物だ。だが昨晩の事は、自ら望み行なった行為だとマザーにも知られている。

〈確かにアルファの遺伝子を持つ正輝が人間の女性と関係するのは、相手にとって危険かも知れない。〉
〈だからと言って、親子のあなた達が関係するのは不自然な事で禁忌な関係と言わざるを得ない。〉

とマザーは関係見直しを求める。恵は微かに頷き、

〈そうだと私も思うわ。〉
〈だけど、正輝に言っても受け入れ無いと思う。〉

と答えるとマザーは、

〈あなたも望んでいるのでは?〉

と聞いて来た。恵は顔を真っ赤にして、

〈そうかもしれない。〉
〈性欲が、性的感覚が高まるばかりなの。〉
〈これは抑えられないの?〉

と逆にマザーに尋ねる。マザーは、

〈難しいわね。〉
〈脳の転写をやり直す方法が有るけど、失敗も多々報告されている。〉
〈失敗すると、その人間の脳は不具合がおきて使い物にならないらしい。〉
〈やってみる?失敗したら別の死んだ人間の体を使う選択肢も有るけど。〉

と説明する。恵は考え込み、

〈正輝にとって、恵は母親でもある。〉
〈関係した今でも。〉
〈それを奪う可能性が有る事は出来ないわ。〉

と答えて、

〈暫く時間を頂戴。〉
〈この関係が一時的な物かもしれないし、正輝も今は力の加減が出来ないけど人間の女性に対応出来る様になるかも。〉

と続けた。マザーは、

〈分かったわ。今回ケースは任務とは関係ないし、何も規定が無い。〉
〈あなたの判断に委ねるわ。〉

と応じた。恵は、

〈ありがとう。〉

と礼を言い、暫く間を置くと

〈実はセックスしてから、何て言うのかしら?〉
〈しっくり来る様になったの。〉
〈人間の体にフィットすると言うか、馴染んだと言うか。〉
〈今までは、本当の私とかなり違う外見もあってか17年経っても借り物の感覚がどうしても有ったの。〉
〈それが今では本当に人間になった見たいに感じるわ。〉

と告白する様に話す。マザーが、

〈データベースにも希少の事例として有るわ。〉
〈やはり何か突発的な出来事がきっかけ見たい。〉
〈時には事故で大怪我とか、大病に罹ったとかのケースが見られる。〉
〈その社会に溶け込むにはメリットが有ると報告が上がっている。〉

と教えてくれた。恵は頷き、少し言いにくそうに

〈一つお願いなんだけど、二人の生活、家での出来事はモニターも記録もしないで欲しいの。〉

と遠慮がちに頼む。するとマザーは、

〈分かったわ。本星への定時報告を含め、それらの報告義務は無いから。〉
〈あなた達への外部からの脅威が有る時は知らせるわね。〉

とすんなりと了承した。恵はホッとした様に、

〈ありがとう。〉

再び礼を言うと、

〈実は、シップのいくつかのセンサーは昨晩には復旧していたの。〉
〈音声センサーが昨晩のあなたの声を探知したわ。〉
〈気を付けて、あなたの声は家の外まで響いていた。〉
〈まあ、誰も聞いてはいないけど。一応知らせておくわ。〉

とマザーが知らせてくれた。恵は更に真っ赤な顔になり、

〈ありがとう、気をつけるわ。〉

と消えいる声で三たび礼を言った。


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