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上野家のある週末
【SF 官能小説】

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眠れぬ夜-1

恵は、食事用テーブルでお気に入りのノンシュガーのティーを飲みながら先程の正輝との会話を思い返していた。自分がアルファ人で本当の母親で無いと告げて正輝の反応が気掛かりだったが正輝は思っていた以上に冷静に受け止めてくれた。

正輝が言った通り、母親としては今の恵しか知らないのだから当然の反応と言えたが本当に嬉しかった。以前のアルファ人、Velだったら観察対象として正輝を見ているだけで喜びなど感じ無いだろうと思うと最近特に自分が人間らしく、人間に近くなって来ている事を感じる。

マザーが以前、言っていた様に『融合』対象の影響を受けるのは避けられないと言うのは事実の様だ。今日の正輝との性行為を例外的な物として正輝に伝えるのに言い辛かった事も人間らしくなったと思えた。

以前のアルファ人としての自分なら親子の禁忌の行為であるにしても、単に人間の本能的欲求がベガァの媚薬で異常に高められたものだと冷静に伝えられた筈だからだ。いずれにせよ、正輝が恵の言わんとしている事を理解してくれた事は良かった。

前の通りの親子関係に戻るのが望ましいからだ。ティーカップを持ち居間の方に歩いていく。ここで今日有った事が未だに信じられない。初めての性行為だった。それは強烈な体験として身体に刻まれた。

最初は大した物とは思わなかった。アルファでは人工的に受精させ子孫を残していて、性行為が途絶えて久しい。生殖の為の肉体的接触くらいしか思っていなかった。それをベガァ人達に正輝を人質に取られやむを得ず許容したのだ。

ベガァ人達の媚薬が最初の誤算だった、あんなにも身体が火照り敏感になるとは。性行為の経験がほとんど無いと言って良い恵の身体だったが、時間が経ち性的な行いを重ねる毎に自分の意志を無視して信じられない位に感じてしまった。ベガァ人達に文字通り弄ばれ翻弄されたのだ。

人間の性的本能に支配され、淫らな言葉を口にし更なる快感の為に懇願した事は今思い起こしても本当に有った事とは思えず赤面する。そして正輝との性行為を強いられてからは、更に快感に拍車が掛かった。

正輝の性器はベガァ人達の物より大きく太く硬かった。そして正輝のセックスは恵を別の次元の性的快楽へと導く物だった。そして途中からは、正輝の性器に夢中になり貪る様に舐め廻し咥えたのだ。

ベガァ人達への行為とは比べ物にならない程、気持ちが入っていたし自ら望んだ行為だとの自覚も有った。恵は急にハッとして思い返すのを止めた。身体が火照り、乳首が立つのを感じたからだ。股間も湿っているのが分かる。

(私、何をしているのかしら…)
(未だ媚薬が抜けていないのかも…)

と恵は頭を振り居間を後にした。今晩は早めに寝て明日に備えようと思った。ベガァ人達には他の仲間がいてここにやって来るかも知れないのだ。寝る前にもう一度、シャワーをしようと思う恵だった。



 いつもより早い時間に恵はベッドに入った。目を閉じるとすぐに眠気が来た。やはり身体の疲労は回復したと言っても未だ本調子では無いと思った所で意識が遠くなり眠りに落ちた。急に目が覚めた。汗をかいて息も荒い。天井を見つめ、

(夢…)

と少しホッとしてサイドテーブルの置き時計を見るとベッドに入ってから1時間も経っていない。

(何故、あんな夢を…)

と顔が赤くなる。正輝に襲われた夢だった。台所で食事の準備をしていると正輝が強引に恵を床に組み敷き、衣類を剥ぎ取り後ろから、恵のお尻を掴んで荒々しく突いてきたのだ。

正輝の性器は大きく、恵の膣一杯に侵入するとその硬い肉棒は激しく膣奥をピストンしていく。必死に正輝に止める様叫ぶも正輝は聞き入れず、更にピストンのスピードを上げていく。

「マンコは気持ち良いか?」
「言ってみろ!何処が気持ち良いのか!」

と正輝は命令口調で恵に聞いてくる。恵は、

「止めて!」
「気持ち良く何て無い!」

と叫ぶも絶叫と共に激しく身体を震わせ絶頂した。そこで目が覚めたのだ。セックスの感触は生々しく、本当に膣に挿入された様に感じた。頭を振り、

(いくら、正輝にアルファの遺伝子が混じっていても強化人間の私が容易く組み敷かれる訳は無いわ。)
(それに正輝があんな乱暴な言い方を私にする訳は無い。)

と現実味の無い、ただの夢だと自分に言い聞かせたがどうしてこんな夢を見てしまうのかと考えた。結論は出ずに台所に行き冷蔵庫から水を取り出して飲むと少し落ち着いた。

(今日の出来事が強烈に私の脳に刻まれたからだ。)

と結論付けると再びベッドに入り目を閉じる。すぐに眠気が来て何も考えられなくなった。


 ガバッと飛び跳ねる様に上半身を起こし恵は再び目を覚ました。ハァハァと息遣いが尋常で無く、また汗を夥しく流している自分に気付く。またしても淫らな夢を見てしまった。置き時計を見ると先程より寝ていなかった。

(また、あの様な夢を…)

と恵は唇を噛む。正輝の前に膝間付き、彼の怒張した性器を頬を膨らませ口一杯に含んでいた。手を使う事を許されず後ろに自ら回して必死に舐めていた。

「しっかり舐めろ!」

と正輝の怒鳴り声がして、亀頭が喉奥を突いて来る。それにむせながら抗う事無く舌を恵は這わせていく。

「乳首が立っているぞ!」
「アルファのドM女め!気持ち良いのか?」

と正輝はせせら笑うと揺れる大きな乳房の張りつめた乳首を狙いすまして指で弾く。左右の乳首を弾かれる度、恵は顔を歪める。


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