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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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初めてのスワッピング(1)-6

 脳内で(メリメリ!)という音を聞いてからの記憶はどことなく途切れ途切れだ。身体中の血液が頭に集まってきたような感覚。頭がぼぉっとしてきているのか冴えてきているのかよくわからない。前原氏が抜き差しさせるスピードはゆっくりだけれど、わたしはそのたびに、歯を食いしばり、眉間にしわを寄せ、もしかしたら前原氏の背中に爪を立ててしまったかもしれない。

 膣内が肉棒でゆっくりと、そして寸分の隙間なく満たされていき、今度は、ゆっくりと引き抜かれていく。肉棒が引き抜かれていくのといっしょに、腹の中の臓物までがすべて引き出されていき、遂には身体が裏返しにされてしまう…。そんな感覚に襲われて恐怖感さえ呼び起こされる。たまらず悲鳴でもあげてしまったのだろうか。前原氏が動きをとめるて耳元でささやく。

 「大丈夫…。奥さんは、ちゃんと『わたし』を受け容れてくれていますよ」

 (受け容れている…)と言われても自分でもそのような実感はない。身体の中心に大きな杭を打ち込まれて手も足も投げ出したまま。自分の意思が働いているようなところななにもなく、ただ採集標本の蝶のよう。前原氏が満足そうに見下ろしているわたしは、目の焦点もうつろで小さく呼吸しているだけのはず…。

 「権堂クンがよく下ごしらえをしてくれているようですね」

 権堂と初めて身体を重ねたときも今みたいに、それまで味わったことがない感覚を味わい、記憶も途切れ途切れになった。家に帰るときには、身体中の節々がギシギシと鳴っているようで、出産を終えて産院から帰宅するみたいによろよろと歩いていたことを憶えている。そんな感覚を味わわせてくれた権堂も、前原氏から見れば『下ごしらえ』の役割がふさわしいということなのか…。

 「いえ、そこまでもできているかどうか…」

 居ないはずの権堂の声が聞こえて驚く。いつの間にかリビングからこの和室に移動してきていたようだ。

 「うちの人をちゃんと収めていただいていますもの。ほら見て? 綺麗にまあるく拡がって」
 「見事ですね。やはり肉がお若いんです」

 夫人も一緒のようだ。権堂と一緒に間近で夫人のご亭主の肉棒を咥え込んでいる…いや自分ではただ押し込まれている…という感じではあるけれど…そんな恥部を観察されていると思うと身体が熱くなる。

 「そうだ。お口も素晴らしかったが、こちらもやはり絶品だ」
 「あなた、悦び過ぎてはしゃいだりしたらいけないわよ。丁重に、丁重に…ね」
 「わかってるさ…ゆっくり、ゆっくり…」

 夫妻が会話を交わしているが、権堂は黙っている。前原氏が悦び勇んで肉棒を振り回してわたしが壊れてしまうとでも心配してくれているのだろうか。

 「権堂さんが奥様のことを心配なさっているわよ。それとも嫉妬なさっているのかしら」
 「はは…。すまないね、権堂くん。キミのワイフは最高だよ。肉がお若いとは言え、しばらくは名残が残ってしまうだろうが、許してくれ」
 「いえ。とんでもないです…。…いかがですか?、前原さんとは…」

 入院中の患者を回診する医師のように、権堂がわたしの顔を覗き込むようにして感想を訊いてくる。権堂もそもそも夫ではないけれど、夫以外の男と交合しているまさにそのときに顔を覗き込まれる…しかも秘部には意識も途切れがちにされるほどの肉棒を打ち込まれているときに…。それでも(何か言わなければ…)と口を開けたそのとき前原氏が被せるように腰を振る。

 「アァオォォゥッ…!」

 権堂の目を見詰めたまま、前原氏の不意打ちに思わず絞り出された声を敢えて文字にすればこのようになるだろうか…。前原氏に挿入されたときに、膣壁が強制的に拡張されていると思しき音が脳内で鳴り響いたように、巨大な肉棒によって子宮もろともすべての内臓が喉元まで押しやられた弾みに絞り出された声。ひっくり返された蟹のように手足をうごめかせて泡を吹きながら…。

 「…ッガハ…ッ!」

 奥まで押し込んだ前原氏が腰を引くと、今度は違った声色をした吐息が漏れる。

 「いい音色だね。名器だ」
 「演奏家がいいとここまで違うとは…。正直、嫉妬もしますが、それよりも…恐れ入りました」
 「あら…。権堂さんも名演奏家よね?」

 自分に肉棒を挿入している男が自分を楽器に例えて感想を述べ、そのすぐ横で様子を観ている者たちもいろいろと感想を述べている。前原氏が動きを止めていると、そんな状況に羞恥心が頭をもたげてくるが、そんな心持を読み取ってでもいるのか、前原氏が時折突きを加えてくる。突きが加えられるたびに、わたしの脳内のホワイトボードに記された意識は、真っ白に拭き去られてしまうようだ。

 「権堂さん、見て? ウチの人のと奥様のと…角度がピッタリじゃありません?」

 わたしと前原氏の結合している部分の話だろうか。見られている側の半身が恥ずかしさに赤くなっていくかのような感覚を覚える。

 「ボクもそれを想ってました。前原さん、さぞかしフィット感を味わっておられるんじゃないかって」
 「角度が合うというのはうれしいよね。骨格が合うということだからね」

 わたしの身体の上から前原氏が応答している。前原氏が感じているのはフィット感なのかはわからないが、わたしにとっては巨大な肉塊が下腹部をまさに動き回っている感じ。やはり産院の分娩台に据え付けられた記憶がよみがえる。

 「骨格もだけど、性格も合っていらっしゃると思うわよ。なにせ楚々としていて…」
 「楚々としていて…なんだい?」
 「『スケベ』…でいらっしゃるもの」

 夫人こそ清楚を絵に描いたような雰囲気の持ち主。その夫人の口からわたしに向けられて出た卑猥な言葉に羞恥心が湧き出てくる。


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