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月灯り
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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休日の朝-1

 久しぶりに日曜日の休日が一緒になった妻と私は、休日だというのに、早くから起きて、妻の手製のサンドイッチをテラスに通じる窓の内側に置いた小さなテーブルで食べていた。テラスといっても、立派なものではない。おそらくマンションの日照権の問題で造られたスペースをテラスのように工夫しただけのものなのだろう。テーブルにはハーブティのカップが二つとコーヒーカップが一つ置かれている。ハーブティがあってもコーヒーを飲みたい私のために、妻が両方を用意してくれているのだ。
 あの青年とのことがあってから一か月以上が過ぎていた。その間、私たちは、不思議なほど、その時の話をしなかった。お互いに仕事があり、忙しかったというのもあったのだろうが、私は、そのことが残念だった。何しろ、あの後、私は、隣のベッドに眠る妻に隠れて、こっそりと、あの青年との行為を妄想しながら自分で自分を慰めていたぐらいだったのだから。
 それなら、今度、いつ青年と会おうか、と、妻に言えばいいようなものなのだが、私にはその勇気がなかった。妻があの行為を悔いているのではないか、と、そのことが不安だったからだ。
「今度は、あなたがリードしてね。あなただけがSになるのよ」
 サラダのレタスを口に入れたまま、突然に、妻がそんなことを言った。私は少し甘いスクランブルエッグを、もう少し口の中で楽しみたかったのに、思わず飲み込んでしまった。
「あの青年と会うのか」
「違うの。今度の相手は嫌らしい中年の男よ。SMクラブにも行ったことのあるようなマゾなんですって。でも、男の人との体験はないんだって。でも、私のオシッコが飲めるなら、何でもするって言うの。面白いでしょ。中年って、あなたと、ほぼ同じぐらいの年齢なのよ。ねえ、そんな汚らしい中年に自分の妻が犯されてしまうのよ。しかも、マゾなのに」
「バイブレーターの色が綺麗なピンクでも、黒でも、ネズミ色でも、どうでもいいことだろう」
「素敵」
 自分と同じぐらいの年齢のマゾ男。その姿を想像しただけで、私のその部分は少し膨らみはじめていた。日曜日といっても、まだ、朝だというのに。


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