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月灯り
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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休日の朝-1

「君は、私がマゾ男になって、若い男に凌辱されるのを見たいんだと思ってたよ」
「それも見たい。あなたが彼の大きなアレを口にした時の、あの、あなたの情けない顔を思い出して、こっそり一人でしちゃったことあるもの。だから、今度は、私が惨めな女になってみたくなったの」
 ああ、なるほど、と、私は理解した。妻は、あの青年との行為に興奮したからこそ、今度は私の立場でその興奮を味合ってみたくなったのだろう。それなら、若い男ではダメなのだ。若い男に犯されるという図式は成り立たない。妻がいくら女とはいえ、やっぱり、相手が若過ぎれば、それは犯す側になってしまう。インサートは屈辱にならず、むしろ、女としての誇りにさえなってしまうのだ。それはそれで気持ちいいのだろうが、それとは別の興奮を妻は求めたくなったのだろう。
「その嫌らしい中年には会ったことがあるの」
「ないわよ」
「じゃあ、写真か何か」
「そんなのもない。でも、いい年齢の男が独身で、マゾなのよ、気持ちの悪い男に決まっているじゃない」
 本当にそうだろうか、と、私は疑問を持ったが、それは妻には言わなかった。今、この瞬間の妻の妄想を壊すのは、あまりにも無粋な行為のように思えたからだった。
「気持ちの悪いスケベ中年男に、私の命令で犯されてしまう、と、そうしたことになるんだね」
「それ以上は言わないで。あなたに任せますから」 
 私は、その妻の言葉で、はじめて気づいた。性の興奮などというものは、不安と驚きの中にしかないのだ、と。しかし、本当に出来ないこと、本当に嫌なことはある。何をされるか分からないから興奮出来るというのに、どうしても、したくないことがあるのだ。つまり、そこが分かっている相手だからこそ自分の身を任せられるということなのだ。
「コーヒー、もう、一杯いかが」
 私は少し冷たくなったカップの中のコーヒーを飲み干し、妻に空のカップを渡した。


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