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茶巾の内側で恥じらう娘はだれか
【学園物 官能小説】

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後編-3

「あ、ところでだけど、これ」
 そんな折、敦史は自分のスマホを手にすると、それで撮った写真をかざした。そこには茶巾状態で裸にされた絵奈が、しっかりと写っていた。
「いやあっ!」
 その痴態が目に入ると、絵奈は恥ずかしさで死にそうだった。

 さっきまで私、こんな風にされてたの……?
 彼女は見るにも堪えず、ようやく自由になった両手で顔を覆った。

 だが敦史の思惑は、別のところにあった。スマホも絵奈ではなく、むしろ蘭華の方に向けている。

「錦山、これ、決定的ないじめの証拠写真だろ。出回ったらどうなると思う?」
「はあ?」
 思いもよらぬことを言われ、蘭華は呆気にとられた。
 確かにそこには、茶巾状態の絵奈の横で悦に入る蘭華の姿も、しっかり写っている。これがいじめの光景でなくて何だというのか。

「こんなんじゃ、否定しようもないよな」
 表向き模範生のように振る舞ってきた蘭華だ。ずっと教師たちの覚えもよかったから、それを活かして名門高校に推薦で入ることを狙っていた。ここでいじめ行為が発覚して、その体面に傷がつくようなことがあれば大打撃だ。
 これまでも気に入らない子にいじめを働いたことは何度もあったが、クラスの女王様的な立場ゆえにもみ消すのは難しくなかった。だが、こんなあからさまな証拠を出されれば、誤魔化すのは容易ではない。
 そんなふうに思いが及ぶと、蘭華は動揺を隠せない。

「ご両親も知ったら、どう思うかな?」
 蘭華は内ヅラも良く、家庭でも絵に描いたような良い子として両親から愛されてきたが、こんなことを知られ、虚像が壊れればどうなるかは、自身の姉の辿った道を見ても知っている。

「ちょっと、や、やめてよ……」
 いよいよ気弱に懇願するような調子になってきた蘭華だが、敦史は追及の手を緩めない。

「お前のやったことって犯罪ものだから、警察に持ってってもいい気がするけど」
 け、警察? この歳で警察沙汰にでもなって人生がめちゃめちゃになることを想像すると、いよいよ蘭華も空恐ろしくなってきた。いくら少年法があるとはいえ、それで何もかも無罪放免になるわけではないことぐらい、彼女にだってわかる。

「ネットに上げて、炎上させてもいいけど」
 もちろんこんな写真を出回らせれば敦史も共犯のように扱われ、無事では済まないかもしれない。だが自分のことが何より可愛い蘭華にしてみれば、そういう方にはまるで頭が回らず、ただ自身の悪行を表沙汰にされるのが怖いばかりだった。

「そ、そんな、やめて国坂くん……」
 唖然となる蘭華の一方で、絵奈も泣いて敦史を止めようとした。このままなら自分の裸を撮った写真を拡散されてしまうのだ。

 だが敦史は素っ気なかった。
「いいじゃん、顔写ってないんだから。誰か分かんないだろ」
「そんなこと言っても……」
「ま、胸とあそこはぼやかしとくからさ。じゃないと俺だってヤバそうだしな」
 敦史がこういった挙に出たのは、絵奈を助けることが目的ではないのだ。

「なんか面白そうなことになってきたな。俺も協力するか」
 当初は敦史のしたことにびっくりしていた成一も、そんな風に言いだした。

「ひ、酷い……最低、国坂!!」
 いよいよ状況が悪くなったことを思い知らされ、激しく非難の言葉を浴びせてきた蘭華を、敦史は睨み返した。
「酷い、最低……その言葉、そっくり……いや、倍にして返してやる」 
 彼は、実は蘭華を憎んでいた。2年生の時、幼馴染だった木戸美紀が蘭華を首謀者としたいじめのターゲットにされて不登校に追い込まれ、永泉中にはもう通えなくなって転校を余儀なくされた過去があるのだ。今も彼女とは連絡を取っているが、その傷が癒えるにはまだ程遠い。あの時美紀を助けられなかったのはずっと心残りだった。

 3年で蘭華と同じクラスになってからも、相変わらず女王様気取りで何でも思い通りにしようとするこの女には憤りを禁じ得ず、機会があれば一矢を報いたいと窺っていた。
 蘭華の方は、そういった背景をまるで知らなかったに違いない。

 たまたまのことだが敦史が今回の誘いに乗ったのも、もしかしたらそのチャンスになるかもしれないと踏んでのことだった。
 もっとも、それに便乗して茶巾状態の女の子の裸をたっぷり堪能させてもらったのも事実だ。それが美人の絵奈だったともなれば、これで当分ヌける材料には困らないだろう。同じ蘭華の犠牲者として彼女に同情する気持ちもあったが、それとこれとは話は別とでも言わんばかりだ。
 敦史にしてみれば、幼馴染の仇討ちを果たせればいいだけの話だったのだ。

「このぉーっ!」
 こうなったら実力行使しかないと、蘭華は強引に敦史からスマホを奪おうとしたが、あっさり身を翻された。

「じゃあ、話は後でまたゆっくりな」
 そう言うと、敦史は成一ともども、この美術室を出た。蘭華は桃美と一緒に追いかけようとしたが、もとより陸上部員の敦史と成一の足に追いつくことは無理な話だった。
 一人残された絵奈は、まだ起きた事態を呑み込めないまま、脱がされた衣服をおずおずと拾って身につけ、茫然となったままこの忌まわしい場所を後にした。


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