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茶巾の内側で恥じらう娘はだれか
【学園物 官能小説】

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前編-1

「こいつ、今頃どんな顔してんのかな」
 錦山蘭華はそう嘲りつつ、ターゲットの全身を見渡した。
 胸から上は、大きくめくりあげられたスカートにすっぽりと包まれている。両手首が頭上でスカート越しに縛られ、指先だけが覗いている。
 つまり、いわゆる「茶巾」の状態だ。
 永泉中学の女子制服はジャンパースカートだから、この仕打ちもやりやすい。ブラウスをずり上げれば、それだけでブラジャーまで丸見えになる。
 晒された下着は水色のリボンがあしらわれてはいるものの、上下ともシンプルな白だ。
 そして胸と股間以外はすっかり露わになった華奢な色白の肢体が、恥じらいにわなないている。

 どうして、私がこんな目に遭わなきゃいけないの?
 あまりの理不尽さに、視界を闇に包んだスカートの内側で、西住絵奈はその可憐な顔を引きつらせていた。

 絵奈がこの永泉中学に転校してきてから1週間。ともかくも学校の雰囲気に慣れ、新しい友達もできようかという時期だった。同じクラスで転入したその日からいろいろ親切にしてくれたかに思えた蘭華から、彼女は急に険しい雰囲気で呼び出しを受けた。

 無視すると何だかまずい気がして、言われるままに放課後の美術室まで来た。北校舎の3階の端にあるここは学校でもいちばんの辺境。永泉中に美術部は無いので放課後は使われず、近づく人もほとんどいなくなる場所だった。

 そこで、蘭華とその子分格の小村桃美の手で、彼女は無理やりこんなふうにされたのだ。

 前の中学にスクールカーストなど無かったため絵奈はまだよくわかっていなかったが、蘭華はこのクラスの女王様的な存在で、表向き優等生的に振る舞いつつ、気に入らない相手にはきつく当たることで恐れられていた。

 絵奈に転入直後に親切そうに接したのも、本当は新入りの品定めが目的だった。

 そして、なんでも、蘭華が解けなかった数学の難問を簡単に解いてみせてその顔を潰したこと。それに加えて、転校生のくせに一部の男子たちの間で美人だと評判になっていること、蘭華の彼氏だという隣のD組の柘植仁志までがそれを褒めたことが気に入らないらしい。
 絵奈にしてみれば無茶苦茶な言いがかりとしか思えなかったし、控えめで目立つことを好まない性格も手伝って、彼女自身は今まで自分をそんなに可愛いなどと思ったこともなかった。

 だがどうあろうと、女王様的な子に目を付けられたことに変わりはない。それで、いじめのターゲットにされたということだ。絵奈には今までそういう経験はないだけにいっそうショックだった。


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