披露-4
祐が光のことを話し出した。
学生時代から、SMに興味があるようだったこと。かなりハードな嗜好なこと。
祐も全く興味がないわけではなかったが、やはり何が違っていたこと。
光は、自分の世界に祐を引き込みたく、何度か自分のプレイを見せたが、祐は、いつも「何かが少し違う」と言っていたと言う。
そして、美月と出会い、似て非なる嗜好となり、それを光に話したところ、見てみたいと言う話になったようだった。
この世界は、嗜好が少し違うだけで噛み合わない。光と美月では、噛み合わないことは、一目瞭然だった。光は、真正のMとしかプレイをしない。SEXや快楽には、ほとんど興味がなかった。
そういう意味では互いの嗜好は、理解できるが、だからこそクロスしない、最も安全な相手だということだった。
祐は、美月を風呂に入れ、優しく全身を洗った。
そして、ベッドに横たわらせると、乳首を舐めた。暖かく優しかった。全身を優しく触り、舐めた。
普段されない優しい行為に、美月の体は、飴と鞭の典型のように素直に喜んでいた。
もしかしたら、久しぶりに対等な立場で、他の女性がされるようなSEXをしてもらえるのかもと思った。
そんな美月の心の動きを祐は、読み切っていた。
久しぶりにクリトリスを触る。美月の体を知り尽くしている指は、瞬く間に、美月を昂らせる。
期待している美月のクリトリスが絶頂を迎える寸前に、指を止めた。
美月は、悲痛な声を上げ、大きく震えた。
祐は、言った。
「普通の女のように扱われたいという心より、体は、粗末な扱いを望んでいるだろう。」と。
その通りだった。
美月の心は、矛盾していた。
普通の女性のように扱われ、全ての部位で絶頂を迎えたいと言う気持ちはある。
しかし、祐が言う通り、体は、快楽を制限されると悦んだ。
体の反応は、生まれながらに持つ仕様のようなものだ。
体が悦ぶのであれば、結局は、心も体に添う。
いかせてくださいと懇願しながら、寸止めをされれば、いくよりも大きな絶頂を迎える、美月は、そんなサブミッシブだった。
祐もまた、痛みや苦痛でなく、自分のペニスを入れてもらうために従属する美月が愛おしくてたまらなかった。