奪取-2
祐は、一度決めたことを決して翻さない。
自慰の禁止も継続していた。
解除される気配などなかった。
乳首もクリトリスもいかせてもらえなくなっていた。あれほど与えてもらえた快楽を取り上げられていた。一度覚えた絶頂を取り上げられた身体は、寸止めをされる度に、激しく波打った。
悶えて、息を切らし、祐を見上げるといつも祐は、楽しそうに美月を見下ろしていた。
「いきたいです・・・」と声を振り絞ると祐は、毎回同じことを言った。
「一生いかせないよ。」と。
二度とクリトリスでいけない。
女性の身体の中で最も敏感な部位を毎回寸止めされ、決していかせてもらえない。そんな未来を想像すると、苦しくてたまらない。そして、幸福で満たされた。
祐は、クリトリスを触りながらいつも言った。
「クリトリスは、役立たずな部位だから、いかせる必要がない。」と。
たしかにそうかもしれない。
クリトリスは、祐に何かをもたらすことはないのだ。いこうがいけまいが、祐には、なんの影響もない。
役割があるとするならば、こうして寸止めをされ、悶える姿を祐に見てもらうことくらいだと思った。
美月の体は、美月のものではなかった。
美月の快楽など、考慮されるはずがなかった。