萌香LOVE-3
鉄平への疑いは雲一つない空のようにはれた。それだけでも頭や体がだいぶ軽くなったような気がした。鉄平に任せておけばきっと大丈夫、そんな安心感を持つ彰。急に食事が進む。
「でも何で萌香ちゃんが処女だとか彼氏がいないとか分かるんですか?」
「ん?まぁ話をしてる限りでは今までキスさえした事がないって言ってたし、恋愛が苦手とも言ってたからねー。男と2人きりになるのが何か怖いんだってさ。話してる感じから、俺の勘では完全に男性未経験の処女だね。それに萌香ちゃんのインスタ知ってる?」
「え?萌香ちゃん、インスタやってるんですか?」
「あー、ダメだぞ彰ー。好きな女がインスタやってる事を知らないようじゃ。」
「す、すみません…」
「まー後で教えてやるよ。あ、でもいきなりフォローしちゃダメだぞ?見るだけにしとけよ?」
「何でですか?」
「とにかくフォロワー数増やしたい奴ならいきなりフォローされても何とも思わないし、むしろウェルカムなんだろうが、そうじゃない奴はいきなりさほど仲良くない奴や知らない奴からフォローされると構えちゃうもんなんだよ。特にあまり仲良くない奴からのフォローは普段の関係からして構えられちゃうもんさ。だからえー?萌香ちゃんインスタやってんだー!フォローしていい?って流れでフォローするのがベスト。萌香ちゃんはそーゆータイプだな。」
「なるほど…分かりました。」
「で、インスタ見たんだけど、男っ気ゼロ!花とかランチとか服とか、そんなんばっかだったよ。男性のフォロワー欲しい女って男の影を出さないようにして投稿するもんだけど、やっぱ何かしら男の影がでちゃうもんなんだよ。こんなとこ女同士じゃ行かねーよな!とか。でも萌香ちゃんのインスタ、男の陰ゼロ。それにスマホのアルバム見せて貰ったけど、何も隠す様子なかったし、て事は見て困るような写真はないって事だろ?もし彼氏がいないとか言ってそーゆー写真あったら見られたくないじゃん?そんな様子全然なかったし。たくさん写真見せてもらったけど、ありゃあマジで生粋の処女だぜ?キスどころか手さえ繋いだ事ないんじゃないか?」
「マジっすか!」
「ああ。付き合ってオマエ色に染めてやれ♪あんな可愛い子と毎晩ズッコンバッコン出来るなんて羨ましいなぁ、おい!」
彰の肩をポンっと叩く。
「まだ付き合えるって決まったわけじゃないですからぁ♪デヘヘ」
彰はだらしない顔をしながらそう言った。