勇者の剣-3
うさ耳娘も嫌いではありません。連鎖の低位の者はどんどんすることをして、増えないといけないのです。
陽が大分高くなったころ、やっと二人は歩き始めました。
二人で寄り添い、腰を抱き合って進みます。
勇者は一歩ごとに揺れる乳房を見て楽しみながら、時々触ったりもんだりして、うさ耳娘のほほ笑みで、自分のものなんだと確認しています。
今日はあまり先へは進めませんでした。
出発が遅かったせいというだけではありません、どうもこのウサ耳娘はいろんなものを呼び寄せてしまうようです。
化け芋虫や化けヒヨコ、化け金魚なんかが出てきて、襲ってきます。
「俺は強くなってやる。そしてこいつらを根絶やしにして、君を助けてやるからな」
昨日より格段の早さで仕留めることができるようになりました。
その後で舐めてもらえるので、よけいに頑張れます。
剣から出る黒い変なやつも、いろんな使い方ができるのが分かってきました。
ただ、それを使うと体力ではなく気力が消耗していきます。
しばらくして、歩くのをやめてしまいました。勇者は疲れます。
気力を奮い立たせるためには、うさ耳娘との交わりだけが若い勇者の回復方法でした。
森の中の小さな泉の近くで野営をすることにしました。
うさ耳娘は食べるものを見つけるのがとても上手でした。
仲間がすぐ生まれて増えるのです、のんびりしていては、飢え死にしてしまいます。きっとそんなことも理由なのでしょう。
早めに寝ると、勇者はせっせと回復に勤めました。
朝、うさ耳娘は泉の水を飲みに行きました。水は清らかで、氷のように冷たくガラスのように透きとおっています。
水の湧き出す勢いで水面は揺らぐのですが、深く底の白砂まで見ることができます。
水草も生えていません。ただ泉の中央に向かって急速に深くなっていき、中央付近は真っ暗で何も見えません。
勇者がやってきました。そして泉に顔つけて水を飲みます。
それだけなら良かったのかもしれません。水の中に入ると、体を洗い始めました。水が濁ります。
途端にあたりが薄暗くなりました。これは一般的に言ってまずい兆候です。
泉の水が沸き立ち、渦を巻き始めます。その中央から、エルフの女王が出てきました。不思議と濡れていません。
黒い髪にとがった耳、褐色の肌。黒い、刺すような目のあいだには、額に三つ目の眼が開いていました。
黄金色のかすかに透けるシフォンのドレスからは、美しい体の曲線と、うっすらと乳首が透けて見えています。
そう思って見ると両方の腰から足の付け根への線をつなげたあたりも、少し暗く陰って見えます。
しかしそれはギリシャ彫刻のようで、少しもいやらしくは見えません。
ただし、節穴でさえ女性器に見える若者にとっては、エロス以外の何物でもありませんでした。
勇者もまたそういう若者でした。
あまり一生懸命見ているので自分の格好には気がついていませんでしたが、股間のものを大きくし、ピンク色の上着の外へ突き出させています。
「あなたは勇者ですか」
「そうだ私が勇者だ」
「確かに勇ましいものをお持ちですね、それでだれを突き刺して泣かせようと言うのですか」
「なんだと」勇者はそこで初めて自分のものに気がつきました。でもさすがは勇者です。
「これは癒しの槍だ。みんなを喜ばせるためにある」
「そうです。夢のように便利ですてきな槍なのぴょん」うさ耳娘はうっとりします。
「では、『夢利槍』と名付けましょう」エルフの女王が宣言します。
「それで、そんな勇者がどうして我が泉を穢しに来たのですか。ここは女人の泉です。そんな猛々しいものを持ち込まれたのでは、許すことができません」
「すみません女王様」うさ耳娘がパンツを脱ぐと、勇者にはかせました。
裸になったうさ耳娘を見て、ピンクのパンツが円錐形にそそり立ちます。
「申し訳ないぴょん」慌てたうさ耳娘は、勇者のパンツの中に手を入れて心棒を倒します。「決して穢そうとは思っておりまぴょん。どうかお許しください」
剣から黒いものが流れ出してきました。≪おまえは勇者だ。そのメスを従わせてみよ≫
「エルフの女王だか何だか知らないが、偉そうなやつだ。口の聞き方を教えてやる」剣を抜きます。
「何をする気です、勇者様おやめください」すがり付くうさ耳娘を脇に払います。
「勇者よ、おまえはその娘に害をなすつもりですか」
「俺は守るんだ」裏腹に真っ黒なそれは地面を伸びて、うさ耳娘のもとへ近づきます。そして腕に巻き付きました。
「危ない」 エルフの女王は背中へ手を回すと、弓を取り出します。矢をつがえると、黒いもののいる地面を射ちました。
真ん中を射抜かれた、まっ黒は震えて勇者の中に消えます。
「大丈夫ですか。あれは魔です。聖水の立ち込めるこの地のせいで、気を狂わせたようですね」
うさ耳娘はつかまれた腕のやけどのような傷跡を舐めています。
そして勇者は、自分が撃たれたかのように倒れていました。エルフの女王は勇者のもとへ行き、抱き起こします。
「気を失っているだけです」しかし、今ので魔が死んでいたら、勇者も死んでいたでしょう。「思ったより融合が早いですね」唇をかみます。