目覚める本能-11
その日最後の授業もまた彼女にとって拷問に等しい時間だったが、体が慣れてきたのかローターの狂おしいほどの快楽は少しだけ沈静化していた。
やがて授業が終わり下校時刻になった。
「鈴香。今日生徒会だけど・・」
「ごめんなさい。まだ体調良くないから今日は休むわ。伝えておいてもらっていいかしら?」
「うん、わかった。気をつけてね」
同じ生徒会の友人にそう伝え、鈴香はそそくさと教室を後にした。
「・・・なんかさ、速水って今日様子変じゃなかった?」
ヤンキー風の女生徒こと八木が、鈴香が教室を出た後に隣にいた友人真鍋に話しかける。
「ん?体調悪いからじゃない?」
「いや、そうじゃなくてさ。なんか、その、・・・エロい感じがした」
するとその会話を聞いていた眼鏡をかけた腐女子風の生徒こと腐川が眼鏡をキランと輝かせながら、
「ヤンキーの八木氏、もしかして速水氏に欲情を・・」
「いや、ちげーよ。何でそうなるんだよ」
「男の子は男の子と、女の子は女の子同士で恋愛すべきという古い言い伝えがありましてですな」
「それ腐川さんが好きな漫画のセリフじゃない?」
「速水氏はスタイル抜群ですからな。素顔もいいですし。真面目な速水氏とヤンキーの八木氏の絡み・・・もしその気ならば影ながら強力を」
「おい、その眼鏡叩き割るぞ、腐れオタクが」
などと鈴香に対して勝手に盛り上がるのであった。
一方の鈴香は帰宅途中駅近くのネットカフェに入店した。個室に入り鍵をかけると、服と下着を全て脱ぎ去り全裸になった。ローターのせいで全身の性感が予想以上に敏感になっていた。未だ動き続けるローターを取り出す。抜ける時のニュルっとした快感に「アンッ」と思わず声が出た。学校でのローターによる自虐体験はたまらない背徳感を鈴香の体の奥底に刻み込んでいた。
(これはもうやめておいた方がいいわね)
ムズムズと全身が震える。体がオナニーしたくてたまらないのだ。鈴香はマットレスに寝そべると、足をV字型に伸ばし性器を広げた。恥裂を指で撫でると、
「あうッ、あぁん、あああぁぁん!」
今日1日の羞恥、快感、不安、緊張、それら全てを吹き飛ばすかのようにオナニーに没頭する。クリトリスも乳首もアナルも全ての性感帯を自ら懲らしめていくのであった。
(あぁ、エッチ・・・大好き)
快楽に堕ちていく中、鈴香はだらしない表情で心の底からそう思っていた。