武勇伝-4
「女なんかヤルの、簡単なんだよ。例えば今、俺と言うツールを使えば、アソコにいる女子2人組、彰だってゲット出来るんだぜ?」
「えっ?」
鉄平の指差す方向を見ると、居酒屋には似合わないようなスーツ姿の高スペックの女2人組がいた。
「どう言う事ですか?」
「奴ら、さっきからこっち見て何やらヒソヒソ話してる。きっと俺を見てカッコいいとか盛り上がってんだよ。そこへ俺の連れの彰が一緒に飲もうと誘う。ほら、もうナンパ成功だ。こっちの席に来た瞬間、もう俺にかかればホテル確定だ。」
「え…?」
「ナンパなんかカッコいいも悪いもないんだよ。俺を利用すれば輝だってナンパ出来るんだよ。ヤリたくないか?あんな高スペック女2人と。」
「そりゃあヤリたいっスけど。」
「じゃあ声かけてこいよ、あっちで一緒に飲みませんかって。」
「え…、でも俺ナンパなんかした事ないし…」
「成功率100%のナンパだ。恐れる事は何もない!彰、イケ♪」
「は、はい…」
彰は戸惑いながらもその高スペック女二人組にアタックする。そして何やら話した後、彰は戻って来た。
「か、神谷さん、彼女ら刑事みたいです!まだ捜査中みたいで食事したら捜査に戻るみたいで…」
「刑事?へへへ、ホンマモンの刑事とヤレるチャンスなんかそうはないよな。よし、俺が行く!」
鉄平は女刑事2人組の所へ行き何やら話すと、彰に振り返り、こっちに来いと手で呼ぶ。少し緊張気味に歩み寄る彰。
「一緒に食事してくれるってよー!」
「え?マジっスか!?」
女刑事2人はニコニコ笑っていた。
「じゃああっちの広いとこに移動しようよ!」
4人は座敷に上がる。
「オネーサン達、捜査中なの?一杯ぐらい大丈夫だよね?」
「いや、お酒はマズイから…」
「大丈夫だよ、一杯ぐらい、さ♪」
とびっきりのイケメンスマイルにやられた女刑事2人は、気づけばビール片手に乾杯していた。
「オネーサン達、名前は?」
「私は三河朱音♪」
「私は戸田結衣、2人とも29歳でーす♪」
「俺は神谷鉄平、こっちは井上彰、会社の同僚でーす♪」
「鉄平くんかぁ。」
「俺は28、彰は26でーす♪」
「アラサーだけど、いいの?私達で?」
「最高じゃないっすか!なぁ彰?」
「はい♪」
「またまたー♪」
捜査中の刑事とは思えないノリでビールを飲む2人だった。