惨虐な連鎖-8
『ねえ唯先生〜、ボク質問してるんだよお?頭の悪いボクにさあ、唯先生が握り締めてシコシコしてるのが《ナニ》か、教えて欲しいんだよお〜』
「ひッ…くくッッ!?やめ…ッ…やめてよッ!」
なんともイヤラしい言葉での責めは、痴漢師・高橋の面目躍如と言えよう。
ハアハアと犬のような息遣いで唯の耳元で囁き、嫌悪の震えを宥めるように優しく髪を撫で上げる。
(……に…逃げ…てッ!先生…ッ…お、お願い…ッ)
唯がどれほど苦しめられているのか、彩花には計り知れない。
優しすぎる彩花の《苦しみ》とは、己れの身に降り掛かるものより、大切な人へ加えられる暴力そのものであったからだ。
『其れをシコシコ扱くとどうなる≠フぉ?分かってるからシコシコしてるんでしょお?エヘヘッ……そのガチガチのビンビンに硬くなった……』
「やめてぇえぇぇッッッ!!!ひぐッ…ぐぐぐッ!?な、なんなのホントにぃッ!気持ち悪いのよヤメてよおッ!!」
決して届かない眼光を精一杯に横に向け、唯は怒声を発した。
男共の欲望は、あまりに執拗でねちっこい。
どうやってカメラの前で、そして彩花の目の前で恥ずかしい真似をさせてやろうか……それだけを考えているような粘っこさが腹立たしい。
『さっき「好きにして」って言ったのは唯先生だぜ?俺らの言いつけを守るって言う意味だろ?』
『そんな簡単に約束を破られるんじゃあ信用ならねえよなあ?口止め動画なんてダルい真似しねえで、手っ取り早く姦っちまった方がイイかもなあ』
包囲が狭められていく。
いや、強がりを言った時から唯は男共が広げた網に絡み、捕えられていたのだ。
(い…ッッ…イヤッッッ!?)
唯の両の手首がガッチリと握られた。
前に並ぶ二人の男は余った手を唯の身体に伸ばし、体育着を捲り上げて肌を露出させようと手繰る。
『そこの頭の悪いボクぅ、女ってのはな、気持ち良くなると恥ずかしい言葉を喋るようになるんだぜえ?』
「な…にを言って…ッ!?ちょっとおッ!やあッッ!!」
引き攣った呼吸に波打つ腹部が現れ、そして浮き上がる肋骨が曝された。
肌の露出はこれに止まらず、それなりの膨らみをもった真っ白な柔肌を支える灰色のスポーツブラまでもが曝け出された。
「ッッッぎひぃいいッ!?」
高橋の両手がスポーツブラの丸みに触れた瞬間、唯は三人を払い除けていた。
唯の覚悟の弱さは今や明確であり、それを自ら示してしまった唯は、打ち拉がれたようにその場にへたり込んでしまった。
『……ったく、焦ってえなあ唯先生はよお』
『彩花ちゃんのコトなんか、ほっぽり出しても構わねえってんだろうなあ?』
「……ちッ…違う…ッ!ち、違うの……ッ」