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こいびとは小学2年生
【ロリ 官能小説】

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歌うたいのバラッド-4


「あ、うん……ま、まあ、でも、あんまり問題にならないように」

「わかってる、いっくんとは長くつきあいたいもん。ババアとかに邪魔されないようにやるから大丈夫」

 いや、それって親に黙ってつきあうってことだよな。あ、いや、俺も亜季ちゃんとつきあってたときは双方の親には別に何も報告しなかったしな。俺としのちゃんとの間は、俺が成人でしのちゃんが未成年だったから、相手の親にはちゃんと話をしておいたほうがいいんじゃないかと思ってたわけで。
 アナウンスが次の駅に到着することを告げる。あ、下りなきゃ。綾菜ちゃんがランドセルを抱えて立ち上がる。

「だから、お兄ちゃんのせーえき、もういらなくなった。いっくんのこと考えてるだけで濡れちゃうし、いっくんとのセックスを想像しておなにいしてるから」

 こんなの、あのジュニアアイドルが小学校の校門の前で「きょう、一緒に帰ろっ」と言ってるシーンと同じような笑顔で言う内容じゃねえよな。視界の隅でAirPodsのお姉さんがドアの上のサイネージに目をやって、iPadをリュックにしまって立ち上がって隣の車両に移るのが見える。そういやこの駅の階段はホームの後ろの方にあったな。

「だからもう、お兄ちゃんにえっちなことしてもらわなくても大丈夫。でも、お兄ちゃんありがと。お兄ちゃんのせーえきでも、いっぱいおなにい、したよ」

 ホームに停車し、コンプレッサーの音と共にドアが開く。この駅から空港行きに乗ってくるような人はこの時間にはいない。

「今度、またちゃんと勉強教えてね」

 そう言っていったんドアの方を向いた綾菜ちゃんが、もう一度俺に向き直り、俺の正面にしゃがみ込む。え、と固まる俺の膝の間に体を割り込ませ、あのジュニアアイドルそっくりのかわいい顔を俺の顔面の真正面に近づける。

「お兄ちゃんにお礼。これ、好きでしょ。ロリ小学生の生吐息」

 俺の顔の斜め下で、すぅぅ、と息を吸い込んだ綾菜ちゃんが、ぱっ、と口を開いて、はぁぁぁ、と、俺の鼻に向けて生温かい息を吐き出す。綾菜ちゃんの唇や前歯が触れそうになるほどの距離から、夜八時の、小学校の教室と学習塾で水曜日の一日を過ごした小学6年生の、まだ初潮を迎えていない思春期前期の12歳の唾液臭が混じった息臭が、綾菜ちゃんの肺活量の勢いで俺に襲いかかる。

「じゃあね、バイバイ。またねー」


 さっき喫茶店のドアの前でさおりさんがしたように胸の前で小さく手を振りながら、綾菜ちゃんが電車を下りていく。閉まったドアの向こうを、ホームの後ろの方へ振り向きもせず小走りしていく綾菜ちゃんの後ろ姿を眺めながら、ベンチコートを着ててよかったわ、とぼんやり思った。さっきから勃起しっぱなしだった俺の仮性包茎は、綾菜ちゃんの12歳の息臭攻撃に堪えきれずチノパンの中で盛大にノーハンド射精していた。



 綾菜ちゃんが彼氏と行ったというラウンドワンは打越駅の東口にある。琴美の家の最寄り駅で、はちあわせるリスクはあるっちゃあるけど、琴美のアパートは西口だし仕事が終わって打越駅に着く時間帯に中に入っていれば安全だ、たぶん。
 俺の仕事が休みでもしのちゃんが学校がある日だったら、放課後ははるかぜ公園か俺の家で過ごすことが多い。しのちゃんは新しい歌を覚えるとまず俺に披露したがる ―というよりも俺が聴きたがる― から、その都度はるかぜ公園でしのちゃんライブを開催していた。けど、季節が冬に差し掛かると日暮れも早いし寒いしで、どうしても足が遠のいてしまう。
 そうなると俺の部屋にいることが増えるのだけど、見栄えばっかりよくて防音性にやや乏しい軽量鉄骨のアパートでJSアイドルのワンマンライブ二時間は近所迷惑になる。そもそもなんで部屋に小学生の女の子がいるんだ、と管理会社に言われたら説明が面倒だ。かといって歌えないのもかわいそうなので、じゃあカラオケに行こう、とあいなった。
 下校時間から十分も経たないうちにダッシュで俺の家に来たしのちゃんは、まずランドセルを背負ったまま俺とキスして、そのあとの俺の提案に顔をくしゃくしゃにして喜んだ。前の家、まだ「パパ」がいた頃は三人で行ったりしたらしいけど、こっちに越してきてからはまったく歌いに行ってない、と。確かに俺もしのちゃんと外デートするときはショッピングモールだったり獅子神山だったり、そういうエンターテインメントっぽい場所ってあんまり連れて行ってなかったな。
 おもちゃなんかも置いてあるキッズルームっていうのもあったけど、たぶんしのちゃんは徹底的に歌いたいだろうから最新機種が設置されている部屋を選んだ。案の定しのちゃんは、部屋に入るなりリモコンを抱きしめるようにしてがんがん選曲し、ドリンクバーのメロンソーダフロートのアイスが溶けるのも気にせずにPerfumeを皮切りに四曲連続で歌い始めた。とりあえず俺はラー油マヨネーズをディップしたカーリーポテトをつまみながらしのちゃんの歌声を堪能する。ちゃんとしたカラオケで歌うと緊張するのかちょっと声は細くなるけど、しのちゃん結構音程はいいんだよな。

「いっぱい歌っちゃったー、たーのしー」

四曲目のめざせポケモンマスターを熱唱し終わったしのちゃんが、五分の一くらい白くなったメロンソーダフロートをこきゅ、と飲んでぷはー、と息を吐く。シロップとバニラアイスが混じった甘ったるい香りが、俺の向かいでまたメロンソーダを飲むしのちゃんから漂う。

「お兄ちゃんは歌わないの?」


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