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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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交歓会への誘い-2

 「でも、会場に着いても、そのあとで急に体調が悪くなったりしたら、どうなるのでしょう?」
 「ええ。シニアの方も多いので、いろいろな意味で無理はしないというのが基本です。前回も、結局1、2名ズレてしまったようで、3人の組ができてましたね。皆さんどんなに若くても五十過ぎなので、何かあってもクレームを述べることもなく大らかにしていらっしゃいますよ」
 「抽選でお相手を決める回もあるんですね…」
 「ええ。前回はボクのお相手は65歳のご婦人でしたが、たっぷり堪能させていただきました。ボクのパートナーもお相手は七十近くの方だったそうで。でも、極端な話、身体は重ねなくても楽しく会話をしたりするだけでもいいんです。なにせ人生経験が長いですからね。話だけでも面白いものです」
 「希望を書き込んでマッチングしてもらう回も…」
 「ええ。2回あります」
 「どなたも指名してくれなかったら恥ずかしいですね…」
 「はは…。そんなことはないと思いますが、第5希望まで提出しますし、『どなたとでも』という選択肢を選ぶ方も少なからずいらっしゃいますから。それだけ、皆さん、いい方がそろっているということでもあります」
 「どの方の名前を書くのか考える機会があるのですか」
 「受付を済ませると、男女とも受付で渡されたショーツに着替えるんです」
 「トップレス…ということですか」
 「ええ。裸足ではなくサンダルとかは履いていますけど。それで男女とも腰に番号を書いた名札をつけてホテル内を行動するんです」
 「ちょっと恥ずかしいかも…」
 「すぐに慣れてしまうものですが、初めて参加される方などはベネチアンマスクを着用される方もいますよ。翌日にはだいたい外してしまわれていますが」
 「男女がトップレスで…」
 「ええ。決して全裸になってはいけないんです。公然猥褻になってしまうそうなので」
 「あの…権堂さんより…大きい方って、いらっしゃるんですか?」
 「ええ、もちろん。ボクなんか平均ぐらいじゃないでしょうか」
 「ええっ…」
 「大丈夫です。事前に対応可能なプレイとかも記入したエントリーシートも提出しますし。ちゃんと相手とよくコミュニケーションをとって、決して無理をさせられるようなことはありません。せっかくの交歓会で不快な思いを女性にさせるのはもってのほかですから」

 初めて権堂と逢ったときの丁寧な対応が思い出される。

 「カラダは何とかなっても、わたし、うまくおしゃべりとかできないかも…自信ないわ」
 「大丈夫です。それも皆さんがそれぞれお持ちの個性ですから。ボクが思うに葵さんは黙って座っているだけでもお相手は十分堪能されると思いますよ。だからこそ、ボクも安心してお誘いもしているんです」

 (相手は若い子だったらこちらがリードしないといけないかもしれないけど…わたしがいちばん若いくらいなのだから、大丈夫なのかしらね…)

 少し気持ちも落ち着いてくる。

 「ご夫婦で参加されるカップルもいらっしゃるんですね。交歓会は『交換会』の意味合いもあるのかしら…」
 「はは…確かにそうですね。ボクにしても、交換会に参加している間、3人の男性に葵さんを堪能されてしまうわけで…。ただ、正直に言うと、他人の男性に抱かれている葵さんを想像するとたまらなく興奮もしてしまうんです。ボク自身、葵さんのご亭主から葵さんを寝取っていてこんなことを言うのもおこがましい限りですが…」
 「…それは、わたしもそうかもしれません。権堂さんも同じように3人の女性…」
 「…ええ。でも、それで絆がさらに深まるのも確かです。疑似ではありますがすっかり夫婦のような気分になって」

 『スワッピング』というものか。わたしには縁のなかった言葉…。

 「…いいですね。権堂さんがいらっしゃってくださるのですから安心です。いろいろよろしくお願いします」
 「ありがとうございます。あまり気負わずに、楽しく…。そもそも抽選に当たらなければいけませんしね。どの男性も日頃自分がお世話になっている女性を同志たちに披露したいと意気込んで参加するんです。三日目はパーティーがありましてね。みんな女性に華やかな衣装をまとってもらって手をつないで会場を歩くんです。華やかな衣装を着た『愛妻』と、手をつないでそれぞれスワッピングした相手のところに行って挨拶するんです…」
 「華やかな衣装…」
 「ああ…、ご心配なく。まあ、いわゆるセクシー下着をベースにしている人が多いですけど、すべてボクが用意しますし、当日はメイクアップアーチストも会場に待機してくれますから、何の心配も要りません」
 「権堂さんも衣装を?」
 「はは…そうなんですよ。お揃いにしてもいいし、まったく違ってもいいし。そんな相談をしているのも楽しいもので。前回は彼女と色を合わせたブーメランパンツにしたんですけどね…。女性は華美に、男はシンプルに」

 権堂の意外に無邪気な部分に触れて好ましく思う。抽選があるのか…。八幡さまにお参りすればきっとご利益があるような気がする。


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