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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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交歓会への誘い-1

 権堂と出会って一年が経った。十日間隔を目安に密会を続けてきたから手帳に小さく記した「G」の字を拾えば30個、この一年で最も多く密会を重ねた男となった。回数を記した数字を足したら80。夫との回数で言えば何年分だろうか…。

 出逢ってはじめの頃は、普段使っている『葵』ではないハンドルネームで逢っていたが、権堂との密会を重ねていくうちに、今度はほかの男と逢うときに一瞬戸惑うようになってしまった。『葵』を変えるよりは…と事情を話して、権堂とも『葵』を使うことにさせてもらった。でも、この回数からすれば、早計だったような気もする。

 80回のセックスを経て、わたしの「カタチ」は確実に権堂の「カタチ」になっていっていると自覚している。はじめの頃のように、分け入ってくる肉棒を歯を食いしばって呑み込んでいくようなことはなくなった。膣の内壁の筋がほぐれて『緩く』なったのだと思える。ただ、権堂以外の男を迎え入れても、『年相応』と思ってもらえているのか、そのことを指摘されたことはない。権堂が言うには、膣の内部のカタチは変わってきていても、入口の『肉質がよい』から以前からの『締まり』を保てているのだとか…。

 31回目の密会の終わり際、権堂がわたしを愛撫しながら話を切り出す。

 「葵さんもボクを余裕を持って受け容れてくれるようになりましたね」
 「『余裕』だなんて、まだまだです…。さっきも口から突き抜けてきそうで」

 騎乗位でアクメに達したが、内臓を持ち上げられる感覚は相変わらずハードだ。喉元まで肉棒の先端が迫っているような感覚。バックから刺されているときには、権堂が立ち上がったら、串に刺された肉みたいにそのままリフトアップされるのではないかという気すらする。

 「いえいえ、ご謙遜でしょう。葵さんの騎乗位は気品があって見上げていると毎回うっとりとしてしまいますよ…。それはそれとして、『まだまだ』と仰ってくださってうれしいです。ボクと葵さんはまだまだ高め合っていくことができると思っていますから」
 「ありがとうございます…」
 「今までは十日は間隔を開けてお逢いするようにしてきましたが、葵さんの肉体は思った以上にみずみずしい。少し間合いを詰めても大丈夫だと思います。三日続けて、三日休息…のようなこともできるかと」
 「いつもお気遣いいただいてありがとうございます。権堂さんと三日連続ですか…」

 (想像しただけでも胸が高鳴ってしまいます)というわたしの心情を察したように、権堂が唇を重ねてくる。

 「連続のローテーションにも慣れていただいたら、今年は葵さんと一緒に交歓会に参加したいな、と…」
 「交歓会?」
 「ええ。毎年、春と秋に開催されるんです」

 権堂の説明を固唾をのんで聞いた。

 『宝刀会』は会員からの推薦により入会できる。その条件は『天から宝物を授けられた厳かなる事実を理解し、宝物を善用して敬意と尊敬の念を持って女性と歓びを交わすことができる五十歳以上の男性であること』とされているのだとか。

 「ホートーカイ…そんな会があるんですね…」
 「ええ。ある意味、ボクたちって女性の理解が得られない限り男女の営みもままならないので…。それだけに、日頃、ご苦労をかけているパートナーへの感謝も込めて『交歓会』というのが開かれているんです。ぼくも五十歳まで待って待って、なってすぐに推薦してもらって入会したんです」
 「その交歓会に、わたしと?」
 「ええ。是非、葵さんと参加して、会員に紹介したいと…」

 交歓会は、だいたい春と秋の年2回、三泊四日で開催され、会員の男性から30名と、そのパートナーの女性30名が参加するのだとか。男女は、普段からのセックスパートナーであればよく、夫婦も数組はいるとのこと。セックスパートナーが複数ある場合でも、同伴する女性は1名に限られる。

 「なぜかと言うと…」

 交歓会では、開催中に男女が『交歓』する機会が設けられるため、人数が同じであることが必要で、体調管理も含めてキャンセルはご法度なのだとか。権堂は申し込んだ1回目は抽選に外れ、2回目と3回目は補欠で当選したものの空席は生じず、4回目の前回にようやく参加できたのだとか。ほぼ十日間隔で密会していた中で、権堂の都合での中休みが何度かあったのはこのためだったのか…と合点がいく。

 「葵さんとお逢いしていながら、そのようなイベントにも参加したりしていまして…。黙っていて申し訳ありません」
 「いえ…そんなことは。わたしだって、いろいろ…。…どなたと行かれたんですか? その方は今度は?」
 「とある方なのですが、お仕事の関係で4日間フリーになれるかどうか難しくなってしまいまして…。彼女には葵さんに出逢ったことは話していて、今度お誘いしようということについても快諾をもらっています」
 「そうなんですね…。でも、わたしも仕事はしていないとは言え、4日間家を空けるとなると、夫にどう言い訳するか…」
 「もちろん、ご都合を第一にしていただいて結構です。参加のめどが立たなければ、その時点で事務局に取り下げを伝えればいいので」
 「そういうパーティーみたいなのって、大丈夫…なんですか? ほら、ときどき、ニュースなんか見てると、そういうパーティーに参加して警察に捕まっちゃう…みたいな」
 「ああ、乱交パーティーみたいなのが摘発される事件、ありますよね。そんなことも考えて、人数とかあまり大きくしないで、入りきれるパーティールームが会場になってますね」
 「すみません…気が小さくて」
 「いえいえ。心配なさるのが当然ですよ。むしろそのようなところまで気にしてくださる方のほうがボクも安心してお誘いできます」

 権堂が褒美を与えるように再び唇を重ねてくる。舌を絡め合いながら思いを巡らす。

 (姉たちや母に協力してもらえればなんとかなるかしら…) 


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