両性具有の秘術-4
勃起して自分のものを握っているロンダール伯爵を見て、メイドのアナベルは何も言わなくても次に自分が何をするのか察していた。
ステファニーを立たせ、ベッドの端に腰を下ろさせると目隠しを外した。
「ステファニー、アナベルがこれからすることを見ておくんだ。いいね?」
立ち上がった腹の出た豚伯爵にステファニーがうなずくと、メイドのアナベルが伯爵の目の前に両膝をついてしゃがみ、鼻先に突き出されたものを見つめた。
豚伯爵がうながすように頬を撫でると微笑を浮かべて、豚伯爵の勃起したものをゆっくりと咥えた。
ステファニーはじっと豚伯爵とメイドのアナベルを見つめていた。
豚伯爵がアナベルの頭をつかみ、腰を揺らす。アナベルは目を閉じて頬ばったまま離さない。
「んぐっ、んっ……んふっ……じゅぷ……じゅぷ……んんっ……ん!」
「くはっ、アナベル、全部飲んで!」
豚伯爵かアナベルの口の中に精液をぶちまける、アナベルは、豚伯爵の射精が終わるまで咥えて放さなかった。
「アナベル、今夜はこのままステファニーと寝るよ。朝食ができたら起こして」
「お兄様、ステファニー様、おやすみなさいませ」
アナベルは寝室から静かに退室した。アナベルがロンダール伯爵を、旦那様ではなくお兄様と呼んだのに気づき、ステファニーは不思議そうな顔をしていた。
「アナベルは、君たちのお姉様なんだ。可愛い妹たちの世話をするために、僕のところに残ってくれているんだよ」
「お姉様?」
「そうだ。君たちの身のまわりのことを全部ちゃんとできるのは、アナベルもお姉様か世話をしてくれたからだよ。ステファニーも、僕のところにずっといてくれるかな?」
「うん、がんばる!」
「よしよし、いい子だ。今日は疲れたよね。ゆっくりおやすみ」
ロンダール伯爵はステファニーのひたいにキスをしてやり、ごろりと仰向けに寝そべり目を閉じた。
ステファニーを「僕の可愛い妹たち」のための私室に帰さずに一緒に眠るのか、メイドのアナベルは経験済みなのでわかっていた。
翌朝、メイドのアナベルが二人を起こしに行くと、ステファニーの下腹部には、淡い赤いつなぐと小さな逆三角型になる赤いホクロが3つ刻まれていた。
ステファニーにも、もう豚伯爵には逆らえないようにされた証の呪印が刻まれているのを見たアナベルは、深いため息をひとつ洩らした。
アナベルは身をかがめ、豚伯爵にキスをして起こした。
豚伯爵がアナベルを抱き寄せ舌を絡めていた。ステファニーがその気配に目を覚まし、メイドのアナベルと豚伯爵がキスをしているのを見つめていた。
「おはよう、お姉様」
「ステファニー様、お、おはようございます。朝食の準備ができました」
明らかに頬を赤らめ動揺しているアナベルを、ステファニーが不思議そうにじっと見つめていた。
ロンダール伯爵には、なぜメイドのアナベルが動揺しているのかわかっている。
「お兄様、キスしているのをステファニーに見られたから、お姉様は恥ずかしがっていたの?」
「それはね、ステファニー、君も僕とキスしたらわかるよ」
ロンダール伯爵か身を起こしたステファニーに抱きつく。ステファニーは、ベッド押し倒されて唇を奪われた。
「んっ……むぐっ……んんんんっ!」
ステファニーが弓なりに背を反らして、目を見開いて、びくびくびくっと痙攣するように身を震わせた。
下腹部がじんわり熱くなり、昨夜、われめの急所を舐められた時と同じ快感が全身に走った。
唇を離したロンダール伯爵は、息を乱して呆然としているステファニーの表情を見つめてにやけていた。
(よし、うまくかかってるな。また気が向いたら遊んであげよう)
呪術によって、最も快感を感じた記憶を呼び覚ました。豚伯爵が体にふれて念じると相手は自分の記憶された感覚で、体が快感を感じてしまうのてある。
豚伯爵が少年を可愛いがる嗜好に走らなかったのは、射精を知ってしまった少年は、手を握っただけて射精して終わりだからだった。
女性は一瞬で絶頂しても、快感がだんだん波が引くように快感が終わらずに継続し続ける。甘美な陶酔の時間がある。
その余韻の時間は、欲情して心はふわふわと漂っているように酔っている。
少年の場合は、残るのは射精のあとの倦怠感だけである。そのまま、連続で射精させ続けると、少年は勃起しなくなってしまうのである。勃起しなくても、射精できると体が覚えてしまう。
余韻の中にいるステファニーを抱きしめていると、恥ずかしいのかもじもじとしている。この呪術を使えば、処女喪失の痛みを忘れさせて、さらに深い快感を感じさせることができる。
女性の場合は絶頂を与えるほど、感情が
恋をしたようなときめきを感じ、身も心も服従する。
それに、淫らな罰も与えることができるようになるのである。
女伯爵シャンリーのメイドのエステルには、豚伯爵のこの呪術はかからない。シャンリーがエステルの体に何か小細工しているらしい。強引に服従させなくても優しい態度で接してくれて、犯すときには静かに人形のように眠ってくれる。
快感を呼び覚ます強い念をエステルに伝えようとすると、なぜかエステルは眠ってしまう。
食堂へステファニーを連れて行くと、他の3人のメイドと「僕の可愛い妹たち」の3人が豚伯爵とステファニーが来るのを食事をせずに待っていた。
「なんだ、みんな先に食べていれば良かったのに。おなか空いただろう?」
椅子に座っていた3人の「僕の可愛い妹たち」がスカートのすそを少し上げ、笑顔で会釈する。ステファニーも同じように3人の「僕の可愛い妹たち」に挨拶を返した。
豚伯爵がにやけていた。
みんなかわいい。
食堂の隅に控えているメイド3人は、アナベルに頭を軽く下げる。
アナベルは他の3人のメイドをまとめている立場で、まだ扱いの難しい新しく来た子の世話をする係である。