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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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両性具有の秘術-2

ロンダール伯爵が「僕の可愛い妹たち」のなかのひとりに色街の娼館の主人から買い取った娘がいた。彼にとって貴重な価値がある娘はめったに見つからない。

「よろしくね、お兄様!」

貴族ではなく、フェルベーク伯爵領から流れてきたという平民階級の少女は、上客を捕まえたと上機嫌で、豚伯爵に満面の笑顔を浮かべて挨拶した。
豚伯爵は見た目から女性から敬遠されることも少なくないので、貴族の育ちであれば使わない馴れなれしい言葉使いの少女が、自分のことを見た目で避けたりしなかったので、ほっとしながら目を細めて少女に微笑みを返した。
少女は栗色の髪を背中のあたりの長さまでのばし、三つ編みに編みこんで1本にまとめたお下げ髪にしていた。少し気が強そうな目尻が少し吊り目だが整った顔立ちをしていた。胸のふくらみは、ロンダール伯爵の好みとしてはつるりとしているぐらいでもいいと思っている。しかし、少女は娼館の主人から聞いた14歳の年齢のわりには、しっかりしたふくらみがあった。身長は豚伯爵の胸あたりの高さで、もう少しだけ低ければと思わないでもなかったが、これからどれだけ背丈が高くなっていくのか次第だと豚伯爵は思うことにした。少女の名前はステファニー。彼女の髪型や口調は、邸宅に一緒に暮らしている今までの「僕の可愛い妹たち」にはいなかった雰囲気の少女だった。フェルベーク伯爵領から来た子だから、それはむこうの流行りの髪型なのか、このあたりではあまり見かけない髪型だとロンダール伯爵は聞いてみた、

「あのお兄様、へんだったらほどきますけど、ちょっと髪に癖があって、リボンをほどくと、ばさってすごく広がっちゃうから」

ステファニーが結んでいた小さなリボンをほどくと、たしかに癖が強い波打った髪が大きく広がった。前髪も緩やかに波打っているのももともとの髪癖らしい。
ロンダール伯爵がふれるとステファニーの髪は柔らかくふわりとした髪で、さわり心地は思いがけず良かった。

「そのまま結ばないのは嫌かな?」
「お兄様に、髪がばさばさだから、髪の手入れをさぼってしてない子みたいに思われたくない」

そこでロンダール伯爵は「僕の可愛い妹たち」や邸宅のメイドに癖の強い髪について、どうしたら癖の強い髪が可愛い感じにらしく見えるか聞いてみた。

「無理に結ぶために引っ張ると、髪が抜けやすいので、前髪は分けて流し、後ろ髪は肩にかからないぐらいまで短く切り整えるのはいかがでしょうか?」

メイドが提案した髪型に整えたステファニーを、ロンダール伯爵は髪を長くのばしているよりもあどけなさもあり、可愛いらしいと思った。
そこで、ステファニーの髪型を切り整えたメイドを褒めようとロンダール伯爵が自室へ来させてみると、メイドのアナベルの髪は腰近くまである髪だったのが、肩ぐらいの長さになっていた。
どうしたのかと聞いてみると、ステファニーに切られたのだと、メイドのアナベルは気まずそうに、小声で言った。

どうして髪を切られたのに館の主人である自分に言わなかったのかと、メイドの髪はまっすぐでしなやかで美しかったのにと思いながらメイドに聞いてみた。

王都の貴族の刑罰に、女性の髪を短く切る刑罰がある。大人の女性が短く切られた髪型をしているのは、重い罪ではないが罪人の証なので、髪がのびるまでは人前には出ない。

だからステファニーは短く髪を切られたことに怒り、メイドの髪をハサミを奪い取り切ってしまったという。
しかし、命じたのはロンダール伯爵で、メイドが自分の判断で、ステファニーの髪を短くしたのではない。

「アナベル、いろいろ苦労をかけるが、これからもみんなの世話を頼む」

5日後、シャンリーが訪ねてきたので、貴族の刑罰の事を聞いてみた。
すると王都の貴族女性は身嗜みとして香水を肌につけ、髪を長めにのばす。長さは背中あたりまでが主流で、髪を結んで束ねたりするのは、首筋を見せたり、背中が開いたドレスを着た時に背中を見せるため。結んだ髪を男性の前でほどくのは、相手の前で服を脱いだのと同じ意味がある。

「舞踏会で、肩より短く髪を切った髪型にしているのは、女性は人前で裸でいるようなものなのです」

そのため、婦人や令嬢を舞踏会に行かせたくない貴族は、うなじが隠れる肩あたりの長さに切らせたりする。
刑罰ではないが、身嗜みとして結べない髪型で舞踏会に参加するのは、男性を誘っていると思われるらしい。
シャンリーは、バーデルの都に賭博場を建造するための資金提供の協力の相談に来たので、メイドのエステルは連れて来ていなかった。連れて来ると期待していた豚伯爵は「僕の可愛い妹たち」のステファニーを抱いてみることにした。
髪を切るのは刑罰ではないことや、世話をするメイドを大切にするように教えておこうと思ったからである。

寝室にメイドのアナベルとステファニーを呼び、目隠しをしたステファニーを、メイドのアナベルに全裸にさせた。
「僕の可愛い妹たち」の世話をする4人のメイドたちは、もともとは「僕の可愛い妹たち」だった女性たちで、豚伯爵よりも背丈が伸びてしまったけれど、従順なので、メイドとして仕えさせている。豚伯爵に目隠しされて可愛がられたことはもちろんある。
ステファニーに髪を切られてしまったメイドのアナベルは、豚伯爵の服も脱がすと寝室から静かに出ていった。
ステファニーを背後から抱きしめ、うなじのあたりにキスをすると、ステファニーは少し身悶えした。彼女は騒いだり、悲鳴を上げて嫌がることはなかった。
背後から抱きしめたまま、シャンリーから聞いたことを、自分が知っていたかのように豚伯爵はステファニーに話した。ステファニーの背中のぬくもりが、密着した腹や胸に伝わってきて、とても気持ちがいい。

「ステファニーの髪を僕が切るように、アナベルに言いつけてやらせた。彼女はずっとこの館で暮らしてきて、王都になんか行ったことがない人だから」


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