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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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参謀官マルティナ-2


神聖教団は愛と豊穣の女神ラーナを信仰する組織だが、貴重な優秀な人材には役割を任せ、呼び名や称号を与え活動している。

僧侶(クレリック)
主に布教活動や信者の相談などを受け、対応する活動を行う。軽度の治癒魔法などを習得している者や霊感能力を用いる者など、それぞれの特技を活かして信者に対応する。

案内人(ガイド)
神聖教団の協力者である。信者としてあるまじき行動をする者や金銭で傭われた者もいるが、神聖教団には修行で世間知らずな者もおり、世の中のことを教えてくれる案内人でもある。ダンジョン探索を行っている者もいる。

学者(スカラー)
古い歴史や習慣などを含め知識を集める協力者。神聖教団が資金提供して、調査などを行っている。鑑定の魔法が得意で商人とのつながりがあることもある。呪われた品物などを神聖教団に浄化を依頼することなどもある。

修道女(シスター)
僧侶のように布教活動などを行わず、教団の戦闘要員として魔法技術などを訓練を受け習得している女性信者。強化者(ブースター)とも呼ばれる。聖騎士候補でもある。

神官(プリースト)
僧侶や修行女などを神聖教団の管理者としてまとめる指導者としての役割を与えられている。魔法技術を習得しており、また博学な者が選ばれる。教団の魔法技術の研究者でもある。

聖騎士(パラディン)
聖騎士の試練から生還した者。僧侶、修行女、神官が聖騎士の試練に挑むことがあるが、生還する者は、きわめて稀である。戦闘要員としても優秀であり、祓魔師(エクソシスト)として僧侶では手に負えない問題を解決することを任せられる貴重な人材である。

賢者(セージ)
聖騎士よりも稀にしか存在しない。神聖教団の協力者で、隠者(ハーミット)とも呼ばれる。聖職者ではないので戒律などを遵守しないこともある。
知識や見識に優れた人物で、千年にひとり現れるかどうかと言われている。

古都ハユウの神殿には、大神官(ハイプリースト)の議会があり、かつては教祖が最上位として権限を持っていたが、教祖の亡くなると、大神官たちによる神聖議会の協議により、組織として活動している。

参謀官マルティナは獣人族の行商人(ペドラー)から辺境の地図を以前に入手していた。
傭兵ガルド討伐を聖騎士ミレイユが宮廷議会で承認を得るために参加しているうちに、焼き討ちされていたいくつかの村の名前をリーナから聞き出し、地図で位置を確認した。

「次に焼き討ちされるとすれば、この順番で襲撃していくと予想できます。もしも、その村が襲撃されていたら、敵の動きの予想が正しいことが立証されます。ミレイユ様に先回りしてもらえば、敵を待ち伏せして、奇襲をかけることもできるはずです」

傭兵ガルドの手下が、行商人になりすます手口で、村に侵入することも、リーナは村人の亡霊たちから交感して、聞き出していた。

念のためにリーナの地図を受け取った瞬間に、手に探知の魔法がかかるようにしておいた、

水晶玉をのぞき、手をふれたら、地図上にリーナがどこにいるのか、マルティナにはわかるようになっていた。

満月の夜、探知していたはずの水晶玉の魔道具が、警告の真っ赤な光を放ち、ひび割れた。

ひび割れた水晶玉にふれて、リーナが異界に連れ去られたと知った。
神聖教団の僧侶が、異界に連れ去られることは考えられない。まして、異界化を防ぐために旅をしているリーナは、警戒していた。亡霊から身を守る錫杖を持ち歩いていた。

参謀官マルティナは翌日、王宮へ行き、レアンドロ王と謁見した。

「マルティナ、聖騎士ミレイユは敵を討ち取れなかったのか?」

「レアンドロ王、敵の焼き討ちが完了する前に、異界化したと思われます」

案内人であるハンターのレナードが、ターレン王国から連絡を絶った。
僧侶のリーナが、辺境で行方不明になってしまった。

マルティナが、ひび割れ割れてしまった水晶玉から一瞬だが霊視できたのは、瞳が赤く輝く蛇神の姿だった。

レアンドロ王は、半人半蛇の蛇神の姿を聞いて、人払いをして、王家に伝わる蛇神の祟りの話を聞かせた。

それは異形のものであった。
ニアキス丘陵に遠征に出てきたゼルキス初代国王が見たものは、まさに異形のものであった。
人間の3倍ほどの大きさで、人の型をして近づいてくるが、顔も肌も赤く蠢く太い蚯蚓のような色のものにびっしりと覆われている。
護衛の兵士が弓を構えて射る。蠢くものがそれを弾いてしまったが、腹のあたりに1本だけ矢が刺さる。
異形のものは歩みを止めて、深く刺さった矢を引き抜くと、王の前に並んでいる弓兵たちの方を向いていた。

その隙に、前列の弓兵10人とその後ろで準備をしていた弓兵10人の位置を入れ代わる。

「放て!」

馬上の王の掛け声と共に、再び弓兵が一斉に矢を放つ。
異形のそれが弓兵に向かって走り出し、矢を蠢くものを振り回し、弓矢を弾き飛ばしながら腕をのばす。

弓兵の1人が頭をつかまれ持ち上げられると、まとわりついている蠢くものが兵士にも絡みつき始める。
頭をつかまれた兵士が悲鳴を上げるが、その口の中にも蠢くものが侵入する。しばらく手足を動かして、絡みついたものを引き剥がそうともがいていた兵士の動きが止まる。
異形のものは兵士の体に抱きつくと、兵士は蠢くものに飲み込まれるように沈み込んで見えなくなった。

王との護衛の弓兵が後退している間に、5人の剣を構えた兵士が異形のものを包囲した。
5人の兵士たちは、弓兵が蠢くものに取り込まれてしまうのを見て、おぞましさに背筋に冷たい汗が流れた。

仲間が犠牲になって作ってくれた隙に、人間よりも大きさはあるが、確実に仕留められると、声を上げて斬りかかった。
異形のものが、両手で2人の兵士を捕まえて、動きを止めた。
残りの兵士の剣が覆っている蠢くものを斬りつけていた。


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