インクブス・ゲーム-11
ヒカリは悲鳴を上げ、爪を立てて離れると、ベッドを飛び出して、中庭へ逃れた。
俺も後を追う。明るい日差しの中で怪物はヒカリをつかまえる。
中庭の真ん中で手足を大きく開かせて、そこで犯した。
乳首にかみついて、引っ張る。引きちぎらんばかりに足を開かせて突き入れる。
そこにあるのは体の痛みと、化け物に無理やりされる心の痛みだ。
やがて暴れて逃げようとする心が折れてしまう。
どうやっても逃げられないなら、ヒカリは怪物にせめられる自分の哀れさに悶えて、昇りつめていった。
≪ああ、面白いぞ。おれは陽の中へ出た初めてのインクブスかもしれない。 歴史的瞬間というやつだ≫ その相手の名がヒカリというのも運命的だ。
ゆがむ唇を奪い、たっぷりと精液を流し込むと。そのまま深い深い眠りの中へ戻した。
≪せめて悪夢でも見て、知らない子をはらむがいい。 どうだ。俺はもう、もたついて飛ぶ蝶ですらないぞ≫
前庭に人の陰が感じられる。城からの夕景を撮るために、撮影クルーの3人がひと足先に城へ戻ってきたのだ。
気がつくともう夕方になっていた。
音響とカメラマンは別の夕景を撮影するために、しばらくコーディネーターと共に町に残っているはずだ。俺は身を隠した。
彼らが休憩部屋に入ると、そこに倒れたまま下半身を出しているメイク嬢をみつけた。
「何をしてる」ADが駆け寄っても、メイク嬢は取り付かれたかのように自慰をやめない。
「おい、アミとマネージャーはどこだ探してこい」プロデューサーが言う。
「急げ。その子はわしが見る」ADをどかせて、自分が抱き上げ、ひざに座らせた。
「なんてことを」司会者がアミに近寄って様子を見ようとする。
「大丈夫だ、私がみる」メイク嬢はプロデューサーの手を取って、自分のかわりにさわらせようとする。
「メイクさん、駄目ですよ。離しなさい」司会者は気を使ったようだが、プロデューサーからにらまれただけだった。「早く探してこい」
司会者とADは物欲しそうにしながら、仕方なく二人を探しに別れた。
俺もそれに合わせて移動する。≪さて、建物から探すとすれば、次はトイレだな≫
司会者の後を音もなくついて行く。
アミがふらふらと歩いてきた。 「なんだかおかしいの」
「どうしたんだい」司会者はアミが手に持っているものを見てびっくりしたようだ。白いのはどうみてもハンカチではない。
と、アミが司会者にもたれかかっていった。
司会者は抱きかかえると、その重みに二人して座り込んでしまった。
アミの手から布を取ると確かめた。やはりレースのショーツだ。自分のポケットに入れてしまった。
「どうしたんだい」司会者はアミの内ももに手を置いて、さりげなくスカートを持ち上げた。
そこにはショーツがあった。
「なにをするの、エロおやじ」アミが吠えて殴りかかる。
「やめてくれ誤解だ」そう言いながらも顔をアミの胸に擦り付けていた。
俺は吹き出しそうになった。 ≪いい大人が子供相手にひどいものだ、おやじは見せパンなんか知らない≫ 笑いをこらえて、もう一人を探しにヒカリの所へ行った。まだひとりで大の字になって寝ている。
やがてADが客室を回ったとき窓から見つけたのだろう、駆け寄ってきた。
「大丈夫ですか」声をかけても起きない。安定した呼吸で寝ているのはわかる。
肩の端をつついて「起きてください」 もう少しゆすっても起きなかった。
そこでADの我慢が切れた。体にさわって、それから周りを見回す。