未亡人との歪な関係A-1
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旅館の食事処で夕食を取っている最中、佳織はどこかうわの空だった。
先程の出来事が、あまりに非日常すぎてーー
そして、冴子と目が合い、にこりと屈託のない笑顔で微笑まれる度に胸が高鳴ってしまう。
食事を終え、部屋に戻った三人の中で、冴子が口を開いた。
「あたし、大浴場行ってきてもいいですか?お土産屋さんも見たいですし。門井くん、露天風呂入ってないしさ。せっかくだし、少しくらい二人でゆっくりしなよ、門井くん」
「あ……」
冴子の気遣いに慌てた悠斗は顔を赤くする。
「じゃあひとっ風呂浴びてきちゃう。またあとで、持ってきたお酒飲みましょ」
冴子は荷物を持って部屋から出ていった。
そわそわと落ち着きのない悠斗をよそに、佳織は立ち上がる。
「じゃあ、先にあたしお風呂入るね。ここの露天、シャワーひとつしかないから先に使わせて?」
「あ、うん……」
メイクを落とし、髪の毛をも流し終わり、体にボディソープを泡立てている頃、カタン、と佳織の背後で扉が開く音がした。
「悠斗くん」
「早かった?」
フェイスタオルで下半身を隠している悠斗がそう聞いた。
「ううん、もう体洗い終わるよ」
シャワーで自身の体についた泡を落とし、佳織は椅子についた泡をシャワーで落とすと、「どうぞ」と微笑む。
景色は暗くて、ほとんど見えなくなってしまっているが、ほのかに灯る明かりで、佳織の濡れた体が照らされている。
服を着ている時にはわかりづらい、肉感的な腰周り、臀部、太もも……
その光景にどきんと悠斗の胸が高鳴った。
「か、佳織さんさ…」
「ん?」
湯船につかろうと、足をそちらの方向に向ける佳織は振り返る。
振り返ると、シャワーの前で立ち尽くす悠斗が見えた。
「少しだけ……体洗って欲しい」
「ええ?子供なの?」
佳織はクスクスと笑う。だが、悠斗を椅子へ座らせて、膝をつくと、シャワーで悠斗の体を濡らしてボディソープを手に取る。
まず背中のほうへまわり、広い背中を丁寧に洗っていく。
そして、腕、胸元……
「子供の頃、一度だけお風呂、一緒に入ったことあったっけ?」
「あ……そうだったかも……一緒に岳と銭湯いかなかった?うちの父親と母親が旅行かなんか行ってて……預かってもらってて」
「思い出した。もう二十年も前の話だ。そのときとは…だいぶか変わっちゃったね。お互いの体つきも…関係も」
切れ長の目で、下から佳織に見つめられる。
胸元をボディソープのついた手で撫でられながら、悠斗は目をぎゅっと閉じた。
悠斗のそこは、佳織に撫でられたくて、びく、びく、と動いてしまっている。
「ふふ、体洗ってるだけで、こんなになっちゃうの。元気だね」
「ごめん……なさい」
佳織は泡のついた左手を、肉棒に添えて、その太さを確かめるようにしながら軽く握った。
右手は悠斗の腰に手を当て、左手をゆっくりと動かす。
「何で謝るの。固くなってきた」
エラがパンパンに張り、いく筋も血管が浮き出だしたそれを優しくしごいていく。