琴美のオナニー-1
俺の吐く息が荒くなる。チノパンのチャックを下ろして、勃起したおちんちんを解放してやる。女の子の部屋、それも熟睡している琴美がいる部屋で露出する勃起したおちんちん。琴美のほうを振り向くと、いい角度でピンと立った勃起が琴音の寝顔を向く。8歳のしのちゃんとペッティングしたときとはまた異なる昂りが身体を貫く。
眠りこけている琴美のそばに腰を下ろす。琴美の身体のすぐ傍、生身の女の子の傍で露出されている俺のおちんちん。先走り液が照明で光る。それをぬぐった指先を眠っている琴美の鼻先に近づける。眠ったままの琴美の鼻梁はびくとも動かない。
琴美のオフホワイトのトップスを下から捲り上げる。わりと引き締まってはいるけれど今の姿勢のせいでおへそあたりに小さな山ができてしまっているお腹、さっき上から見たベージュのブラ。そして、ブラの下の、思っていたよりも存在感のありそうな胸。
右側のブラカップのバージスラインに指を挟み込み、そっと上へ向けてめくりあげる。
(うお、琴美……こんなおっぱいだったんだ……)
アンダー値12センチくらいの軽く揺れる乳房と、どちらかといえば大きめのくっきりした乳輪。その乳輪とほぼ同じような茶色の、はっきりと指で摘めそうな、俺の小指の先くらいの大きさの、やや幅広の乳首。
琴美の、たぶん処女喪失の相手と今の彼氏にしか見せたことがない、26歳の女の子の乳頭。まさか同僚の、それもたぶん男として認識されていない俺に見られるとは思っていない、琴美のおっぱい。
ぐっ、と唾液を飲み込んだ俺は、微かに震える右の人差し指で琴音の乳首に触れる。硬そうで硬くない、琴音の茶色い乳首。軽く押してみるとわずかな反発を残して乳首が柔らかな乳房にむにゅっ、と沈んでいく。あたりまえだけど、しのちゃんのぺったんこの胸とはまったく違う、大人の女の乳房の感触。彼氏とセックスしておまんこにおちんちんを挿入されながら愛撫されている(だろう)、琴美の乳首と乳房。
出しっぱなしの俺のおちんちんの先端から先走り液がカーペットの床に垂れ落ちそうなほど分泌している。彼氏がいることはわかっていたから付き合いたいとは思っていなかったけれど、麻衣ちゃんやしのちゃんが現れるまでは俺の中ではダントツの生オナペットだった琴美の、入社イコールと同時に顔を合わせて―そしてその二週間後には早くもオナペットにしていた―以来、四年目にして初めてしかも間近で見る琴美の乳房と乳首。うあ、やべぇ、手を触れていないけれど、ちょっとでも陰茎海綿体に力を入れたらそのまま射精しちまいそうだ。ティッシュティッシュ。ローテーブルが元あった場所の床に置いてあるネピアを二枚、いや念のため三枚取って左手にスタンバイする。バージスラインの弾力でブラが北半球に留まっている乳房に顔を近づけて、もともとあんまり体臭が強くない琴美の、汗や皮脂の汚れが混じった肌の匂いを嗅ぐ。視界の八十パーセントを占める、茶色いぷっくりくっきりした琴美の乳首。乳房の産毛や、乳首の乳輪線や乳口が鮮明に見える。くはぁ、だめだもう我慢できねぇ。
亀頭を覆うように被せたティッシュの中で、俺は十日いや十一日間溜めに溜まっていた精液をどくどくと放出した。琴美の生乳首を至近距離で、それも琴美の肌の匂いを嗅ぎながら視姦しての射精。その瞬間に声が出そうになるのを極小残った理性で必死に堪える。ここで琴美が目を覚ましたらシャレにならなくなる。
ねっとりとした高濃度の精液でじっとりと重いティッシュをおちんちんから離して小さく丸める。拭いきれなかった精液でてらてら光る亀頭の陰茎深静脈に貯留された血液が流出する気配はない。
もし琴美でこういうシチュエーションが訪れたら絶対やりたい、と妄想していた―妄想しながらオナニーしていた―ことを実行するまではこの勃起はたぶん収まらない。琴美の匂いで射精、それも衣服越しに漂う体臭やロッカーの中の琴美が穿いていたショーツに染み込んでいる恥臭じゃなく、もっとダイレクトに、琴美の身体から、それも息のような比較的嗅ぎやすいものじゃなく性的な関係にならなければ嗅げない匂いを直に嗅ぎながらオナニーしての射精。それを実現できそうなこの状況に、たった今十一日溜め込んだ精液を放出したおちんちんは隆起したままだ。
琴美が素面だったら、寝息の息臭を直に嗅いだり口の中に指を入れて拭い取った唾液の匂いを嗅いだりもしたかもしれないけど、酔っ払っているからなんていうか純度が低くなっていそうんで。アルコール分を含まない、純粋に琴美から分泌された唾液や生成された息の匂いじゃないと楽しめない。正直、夕方あたりの強まった息臭、あれ興奮するんだよな。
匂いフェチの俺がいま嗅ぎたいもの。それを想像すると身体が軽く武者震いする。勃起したままのおちんちんの亀頭が揺れる。琴美のスカートに手を伸ばす。と、不意に尿意が俺を襲った。んだよこのタイミングで俺の膀胱は。まあ、あんだけ飲んでほとんどトイレ行ってなかったから仕方ないか。
俺はめくりあげたままだった琴美のブラジャーとトップスを静かに元の位置に戻し、精液で重たいティッシュを手にして立ち上がった。キッチンの先、玄関ドアのすぐ脇にあるあのドアがトイレだなたぶん。ついでにこのティッシュを流して証拠隠滅してしまえ。
勃起したままだと排尿しにくい。まして人の家のトイレを汚すのは悪いし、慎重になるからなおさら手間と時間がかかる。
四苦八苦しながらどうにかおしっこを出し切ってトイレを出た俺はその場で固まった。トイレのすぐそば、キッチンのシンクの前に琴美が立っていて、水道からグラスに水を注いでいる。出しっぱなしでなくてよかった。
「あ、ごめぇん。あたし寝ちゃってたよね」