カルテ1 藤堂倫 27歳 新聞記者-5
だが倫の期待は裏切られ、指は内腿へ下りていってしまう。
違う!、私の欲しいのはそこじゃないよ
と、閉じていた瞼をひらき幸介をさぐった。
しかし、すぐにまた瞳を閉じたのは幸介の唇が乳首に止まってくれたからだ。
「ん、うぅん」
喘ぎがもれる。
唇で挟まれ先端を舌先でつつかれる。
結ばれていた倫の唇が微かに開き、そして丸く開いていった。
胸に送り込まれる刺激を感じながら、倫は願った。
早く抱いて欲しい、早く貴方の物にして欲しいと願った。
自分を知らない男なら、自分をメチャクチャにしてくれるかもしれない。
その願望が、やっと叶おうとしていた。
倫は、清酒で有名な近畿地方の都市に、造り酒屋の長女として生まれた。
藤堂酒造は、父親で14代を数える旧家だった。
3歳年上の兄がいる。
兄は15代目を目指し父のもとで修行中だ。
有り余るほどの両親の愛と家計に恵まれ、文字通りまっすぐに育った。
3歳の頃からフィギュアースケートを習い、中学に入学する頃には全日本のジュニア強化選手に選抜されるほどになっていた。
地元では将来オリンピックのメダル候補として大いに期待された。
学業も常にトップクラスで、高校は両親の元を離れ東京にある有名私立女子大付属高校に通うつもりだった。
そこでスケートを続けるつもりでいた。
だが15歳のときスケートはきっぱり諦めた。
理由は発育の良すぎるからだだった。
中学二年の後半からすくすく育ち、バストはFカップになっていた。
大きすぎるバストはスケートには向かない。
無理して続けることも出来たが、自分の身体を好奇な視線に晒すことが嫌だった。
たいして悩むことなくスケートを捨てた。
結局、県下屈指の公立進学高校に進むと、益々女としての魅力に溢れ、加えてその美貌は隣の市にまで聞こえるようになった。
絵に描いたような才色兼備のうわさを聞きつけた芸能プロダクションからの問い合わせも度々あった。
だが、そういった周囲の反応を相手にしなかった。
あまりに煩いので眼鏡をかけるようになった。
もともと視力も強くはなかったのだ。
高校始まって以来の女性生徒会長を務め、卒業式には生徒代表として演壇に立った。
高校卒業後東京の国立女子大学に進学し政治学を選考した。
夢は新聞記者になることだった。
もちろん故郷の両親は、大学卒業後は家に帰ってくることを望んで猛反対したが、持ち前の好奇心で両親を説得し、夢がかなって全国紙の記者をしている。
正確には、まだ政治記事を書くことは許されてはなく、文芸部に所属し文化遺産を取材するコラムを担当していたのだが。
幸介の唇が乳首から離れ乳房の起伏を滑りおりた。
そのまま括れたウエストまで下って、そこでしばらく散策する。
その後ショーツの上から繁みを感じ、そして股間へと移動した。
幸介が倫の脚を広げた。
そこには薄いショーツ地を透してすっかり濡らした倫自身が見てとれた。
倫が両手で顔を覆う。
(ダメよ、幸介さんだめ)
幸介は倫の心の声を聞いていた。
ショーツがおろされる。
恥じらいながらも協力してしまう自分を倫は信じられない。
柔らかく薄めの茂みがあらわれ、続いてピンク色の倫自身があらわれた。
膝元まで降りたショーツからは細く糸が引いている。
倫は顔を隠したままだ。
(見ないで、もう私濡れてる)
幸介は倫の心の声を聞きながら最も敏感な部分に舌を這わせた。
「あっあ・・・」
突然、電流にも似た刺激が背骨を通して脳天まで駆け抜けた。
幸介は舐め、咥え、そして吸った。
その度に倫は声を漏らす。
「ん、うぅん」
「い、いい」
「あっ、あぁ〜」
次第に大胆に、はっきりとした言葉に変っていく。
「ああ〜、いいの、幸介さんいいの、そこ気持ちいい」
倫は幸介の口が逃げないように両手で頭を包み込み股間を押し当てた。
幸介は巧みだった。
舌の腹で突起を刺激し、先端で花弁を舐め掘っている。
その間も、指は休むことなくふたつのホールの周囲を刺激していた。
倫には初めての快感だった。
瞼を開き様子を窺うと、恥ずかしい箇所に頭を埋め、夢中で刺激を送ってくれる幸介がいた。
「幸介さん、私もうだめ、我慢できない、い・いっていい? ねえおねがい」
教養高い倫は姿を消し、快楽を求める女になっていた。
その瞬間、幸介は動きを止めた。