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精神科医佐伯幸介のカルテ
【女性向け 官能小説】

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カルテ1 藤堂倫 27歳 新聞記者-6

幸介が立ち上がる。
倫も幸介につられて上半身を起こした。
目の前には幸介の分身があった。
それは硬く反り返り、血管が浮き出てごつごつとしていた。
倫はしばらく呆然とそれを見つめていたが、自然と手を伸ばしはじめた。
両手に優しく包むと、手のひらに血流がトクトクと伝わり、先端がキラキラと光って見えた。
倫の瞳は吸い寄せられたように幸介の分身から放れない。
頬が薄紅に色づいている。
縁無し眼鏡の奥の瞳が妖しく光をともし、催眠術にかかったように倫の唇が近づいていく。
僅かでも躊躇いを見せるかとも思ったのだが速度を変えずに唇を触れさせた。
幸介の零れる体液を使って乾いた唇を潤し、その形に合わせて唇が開く。
先端部分を納めると、倫の口中はほとんど占領されてしまう。
すべてを含めない切なさと悔しさと失望感の混じる複雑な感情が倫を襲った。
幸介は倫の感情を正確に読み取っていたが、ことさら行動に移すことはしなかった。
倫が次の行動に移る。
口に含んだまま、舌先をカリのくびれに這わせてみる。
そうすると、幸介はピクピク反応し、倫の上顎にぶつかった。
頭上からは、微かに変化した鼻息が聞こえてきた。
きっと幸介も感じているのだと思うと嬉しくなり、さらに大胆に刺激を加えた。
前後に頭部を動かし、できるだけ奥深くまで幸介を迎え入れようとする。
そのたびに唇が幸介の形をなぞった。
むせ返る限界まで迎え入れても、まだ手のひら一握り分はあまってしまう。
なのに幸介はさらに硬度を増して膨張していくようだった。
(これが私の中に入るのね)
不安と期待に鼓動が激しさを増した。

幸介は倫を観察している。
眼鏡の奥の薄く瞼を開いた瞳、呼吸するたびにひくひく動く鼻腔、口の端から流れる涎、染まる頬。
幸介に悦んで欲しくて一生懸命な様子がうかがえる。
稚拙だけど思いを伝えようとする懸命な心に応えようと思い、喉に射精しようと決める。
この女性はそれを望み、喜ぶはずだ。
意識のすべてを腰から下へ移動させる。
精が尿道を通過し先端へ移動していく。
倫は急激に太く固くなる幸介に驚き、悦びを感じている。
そして、熱いものが喉に打ち付けられると倫もまた達した。
数度、身体を痙攣させ愛液を迸らせた。
幸介が放っても口から出そうとはしない。
精を余すことなく飲み込むためだ。
音を立てて吸引すると幸介自身が口の中で暴れてくれる。
そして、なお硬度を失わずにいてくれる。
倫の欲求が増幅する。
強く幸介を欲し「これをください」と言葉にして要求し、仰向けになり両脚を開いた。
目の前にすべてを開いた倫を見たとき、幸介にもそこに包まれたいという欲求が沸いた。
だけど幸介は自分の欲望を冷静に理解し封印しようと試みた。
自分の満足のために抱いてしまえば、女性の心と肉体をつなぐことはできない。
仮にそれができるとすれば、自分に深い愛情を注いでくれる女性に対してだけだ。
一呼吸の間にそれだけのことを考え欲望を静めることに成功した幸介が倫の両腿の間に身体を入れた。
そして、いったん楽しむように眺め先端を当てた。
やわらかく、あたたかく、湿った感触がそこにあった。



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