ごほうび-5
思わずしのちゃんの顔を見る。斜め下を見ているしのちゃんの視線の先には、しのちゃんの顔を向いてそそり立っている勃起がある。
「おちんちん、ちゃんとさわってほしいって」
そうだ。そもそも俺がおちんちんを出したのは、しのちゃんに生手コキをお願いしたかったからじゃねぇか。
「あ、そうだった……うん、お願いします」
俺はしのちゃんをお姫様抱っこして、きゃーきゃー言って喜んでいるしのちゃんをそっとベッドに横たえた。127センチのしのちゃん、やっぱ軽いな。
しのちゃんの隣に寝転び、しのちゃんの右手を取って、膨脹して硬くなっている陰茎を握らせる。
「わぁ、かたーい。でもなんか、ちょっとぐにゅぐにゅしてる」
しのちゃんが目を見開く。しのちゃんが生まれて初めて直に触る、勃起した大人のおちんちん。セックスや性欲について何も知らない、おちんちんはおしっこが出る場所、くらいの知識しかない、8歳の幼女が握る、その幼女でさんざん射精した俺の仮性包茎のおちんちん。さすがに続けざまに二度射精したばっかりでしのちゃんの手のひらの感触だけで果てることはなさそうだけど、あの尻の穴を締め付けるようなオルガズムの前兆が襲いかかっている。
「しのちゃん、手を、ゆっくり上下に動かしてみて」
「うん……こう?」
しのちゃんのちっちゃな手が、握りしめた俺の陰茎をきゅっ、と引っ張り上げる。戻すときにも同じようにするから、包皮が亀頭の根元を引っ張ってちょっと痛い。痛いけど、おかげで射精を少しは遅らせられるかもしれない。
俺はしのちゃんにおちんちんを愛撫―と呼ぶにはあまりにも幼くてちょっと乱暴だけど―されながら、しのちゃんの乳首を指先で撫ぜ、もう一方の腕をしのちゃんの首の後ろからぐるっとしのちゃんの顔に回して、左の人差し指でしのちゃんの唇や口の中の唾液で湿った前歯や歯茎をなぞった。前歯の間から指を入れると、しのちゃんの舌先がそれを舐めにくる。しのちゃんはいたずらっぽい目つきだからふざけているやってるんだろうけど、これってAVでもよく見るシーンだよな。女の子って、これ条件反射でやっちゃうんだろうか。
ぺったんこの胸。口の中のぬくもりや幼女特有のさらさらした唾液や息臭。そして、俺のおちんちんを握って上下する小さな右手。視覚、嗅覚、触覚。あ、聴覚が足りない。
「しのちゃん……」
イキそうな俺の声はもう絶え絶えだ。
「なぁに?」
「……お兄ちゃん、大好きって、ずっと言ってて……」
「うん、わかったー。お兄ちゃん、だいすき。お兄ちゃんのことがだーいすきっ」
三度目の限界が迫る。俺は、右手をしのちゃんの胸から離しておちんちんを握るしのちゃんの手にかぶせ、いつもオナニーするようにゆっくりしごきながら尿道口を俺の顔の方に向けた。こうすれば、俺の手のひらの下で一緒に手コキするしのちゃんの手に精液が垂れてきたりしない。
しのちゃんの口を弄っていた左手をしのちゃんの胸に回して、あと3年くらい経ったらぷくんと兆しが表れてくるはずの乳房のあたりを揉む。そして、
「お兄ちゃん、だーいすきだよ、ずーっとだいすき」
とささやくように続けるしのちゃんの口に鼻を半ば突っ込むように押し当ててしのちゃんの息臭をいっぱいに吸い込み、生まれて初めての「こいびと」とのペッティングでしのちゃんに見られながら射精した。
「お兄ちゃん、また気持ちいいやつ出てる、すごーい。ね、あたしがさわってあげたからこーふんしたの?」
荒い息を吐いて果てた俺に、腹の上のさすがに今回は薄めの精液を目を丸めて見つめながら、しのちゃんがうれしそうに言った。
「……、うん、すっごい、興奮したよ……今まで生きてて、いちばん気持ちよかった……」
「ほんと?うれしいー。あたしお兄ちゃんのこいびとだもん。これからも、いっぱーい、気持ちよくしてあげるねっ」
しのちゃんが俺の頬にちゅっ、とキスする。まだ性愛のことなんて何も知らないはずだけど、やっぱりDNAに組み込まれているのかな、「こいびと」とは裸で「気持ちいい」ことをするって。それともひょっとして、幼稚園くらいのときにお医者さんごっことか経験したりしたんだろうか。
お医者さんごっこ。しのちゃんの身体にいたずら。そうだ、まだしのちゃんの無毛ワレメには触れてもいない。萎えかけたおちんちんがまたむくっとするのに合わせて何気なく首もむくっと上げると、パソコンデスクの上の目覚まし時計が視界の隅に入った。六時半。げ、やばい。しのちゃん、家事とかあるから七時までには帰っていなきゃまずいんだ。
俺は慌ててベッドを降り、トランクスとワイドパンツを履いた。
「しのちゃん、もうすぐ七時だ。送ってくよ」
「えー」
ベッドに横たわったままのしのちゃんが不服申立ての声を上げる。あ、そうだな、これじゃ自分だけさっさと射精して後戯しない自分勝手男だ。
俺はもう一度ベッドに倒れ込み、裸のしのちゃんを抱きしめながら唇にキスして、肩先を越えるくらいに長くなってきたしのちゃんの髪を撫でた。
「しのちゃん、かわいいよ。俺の大切なこいびとのしのちゃん。俺を気持ちよくしてくれて、ありがとう」
「うふっ」
機嫌が戻っていつもの笑顔になったしのちゃんの口元から覗く生えかけの永久歯。こんな、歯の生え変わり時期真っ只中の、髪の毛の他には眉毛とごくわずかな産毛しか体毛の生えていない、小学2年のしのちゃんが俺の「こいびと」で、無邪気すぎる幼い裸を見せてくれて、稚拙な手コキで射精を導いてくれた。幸せすぎないか俺。あ、いや、浸ってる場合じゃねぇ、しのちゃんの身体に変なものが付着してないか見て、服を着させて、俺の仮性包茎の恥垢が付いた手を洗わせて、今日はアパートの前まで送っていかなきゃ。