両想い?-4
日曜日、弥生と茜と恭子は買い物に出かけた。休みの日は良く3人で出かける。昼にファーストフード店でお昼を食べながら楽しく話していた。
「恭子ちゃーん!」
「ん?」
恭子が弥生に顔を向けるとカメラを構えていた。
「えー?なーに??」
「いやー、恭子可愛いなって♪」
「もー。でも何か最近やたらと私の写真撮るよねー?何で?」
良く3人や2人では撮っていたが、最近どうも自分だけの写真が多いような気がした。
「ん?秘密ー♪」
「えー?何よー!?教えてよー!」
「どうしようかなー。」
「教えてよー!」
「…、まっいっか♪実はね、恭子ちゃんの事が好きな男子がいてね、恭子ちゃんの写真見せると喜ぶのー♪」
「えっ?」
自分の事を好きな男子がいる事自体信じられなかった。自分ではたいして可愛いとも思わないし、バスケばっかりやっている色黒の自分なんかを好きになってくれる人などいる訳がないと思っていたからだ。
「物凄く喜ぶんだよー?」
「嘘ーっ…、私の事好きになってくれる人なんているの…?」
「いるよ。実際いるし。」
「えー…?」
急に恥ずかしくなった。恋愛などした事もないし、男子に好かれる言葉自体恥ずかしくて仕方がなかった。
「ち、ちなみに…誰…?」
「それは秘密!恭子ちゃんは好きな男子、いるの?」
「えっ?わ、私…?」
弥生と茜は身を乗り出して目を輝かせて聞いてきた。
「い、いないよ…」
「嘘だー!絶対いるでしょ!ねぇ、教えなさいよ!」
「や、やだ、恥ずかしいよ…」
「早く言いなさいよー♪あーでも恭子ちゃんを好きな人と違う人だったらガッカリするんだろうなぁ、アイツ♪」
「その人って誰なの…?」
「恭子ちゃんが白状したら教えてあげる♪」
「えー…?」
「じゃあ言わなーい。」
「えー…」
悩む恭子。今まで密かに想いを寄せていた男子はいる。だが誰にも言った事は無かった。同級生になった事はあったが、あまり話した事はなかった。しかし密かに想いをよせ、部活の試合を観に行った事もあった。一年生から今まで、恭子が想いを寄せた男子は1人しかいなかった。同じように自分に想いを寄せてくれている男子がいるなら気になるし、知りたい。もしかしたらその人を好きになるかも知れない。恭子はその男子が知りたくなった。少し考えてから恭子は意を決して行った。
「私、ずっと好きだったの…。あの…、た、高梨くんのコトが…」
その言葉を聞いた弥生と茜は驚いた顔を見合わせた後、ニヤーっと笑った。