『HIDDEN AFFAIR』-3
その男子生徒はカウンターに向かってくる。
カウンターの足元にはもちろん目張りがあって空哉は見えない。
が、コレ以上空哉が調子に乗ろうものなら気づかれるかもしれない。
棗はハラハラしどおしだ。
男子生徒は鞄から本を1冊取り出すとカウンターにのせた。
「コレ、返却お願いします」
「はい…、えと、クラスと名前は…」
声を出すのがやっとだ。
「1のD、タニグチです」
その時、棗の身体がピクンと跳ねた。
「?」
訝(いぶか)しげな顔をして棗を見るタニグチ君。
その時、空哉の舌はショーツ越しの棗の秘部を嬲っていたのだ。
―や…、うそでしょ…。
スカートはモゾモゾと動いている。
「あの…」
「ごめんなさい。1Dのタニグチ君ね…。まってて…」
返却者用のカードホルダーを探る。
棗がえらく紅潮しているのにタニグチ君はもう気づいている。
カードを探す手が微妙に震えているのにも。
そういえば、先程は自分の名前に反応していたのか、と彼は勘違いをした。
「大丈夫ですか?」
「ああ…、ウン。ごめんね、もうちょっとまって…」
―あそこがジンジンする…。
棗の頭はうまく回らない。
そして空哉は指でショーツをめくり、暗がりではあったが、露わになった陰部に心を躍らせていた。
―あっ…、すっげぇ…。
ぬと…。
先ほどから溢れていた愛液が割れ目を伝う。
―こんなに出てる…。
そっと舌を伸ばす。
ぬちゅ。
「ぁ」
棗の色っぽい声にタニグチ君は当然驚く。
「すっごい顔赤いですけど、熱でもあるんじゃ…」
事情も知らないのに動悸がする。
「う、うん。そうなの。あはは」
笑って繕う。
ぬぷぅ…。
「ん…」
舌が深く侵入している。
あまりの快感に棗は眉根を寄せる。その苦悶の表情の悩ましさにタニグチ君はくらくらした。
「あ、あった…。ごめん。手間取っちゃって」
「い、いや。いいっすよ」
荒げな吐息をあげて棗がカードを出してにっこりする。
そのアンバランスさが男心をくすぐった。
一方、もう一人の男・空哉は舌で弄ぶ傍ら、抱え込むように臀部の方へと両手を伸ばし、その肉を掴んでいた。
ぐにぐに。
―空哉のバカ!
もちろんその声は聞こえるはずがない。
個人カードと貸し出し用カードの返却日欄に、今日の日付の入ったスタンプを押す。
「はい、確かに。今日は借りますか?」
「いや…、いいです」
タニグチ君は複雑な面持ちで図書室を出た。
その後姿を見ながら棗は思った。
―ぜぇぇぇぇったいヘンだって思われてる…。
それもこれも、スケベなこの男のせい。
当の空哉はなおも愛撫を止めない。
−もう…、どうしよう…。このままじゃ…。
心の中で空哉を責める傍ら、やはり気持ち良さを感じている。
空哉の頭を掴み、より深い密着を得ようと寄せた。
腰は小刻みに動いている。
それには空哉も気づいていた。
喜びで空哉のイチモツも痛いほどの憤りを表している。
我慢しきれずに、ベルトを外しジッパーを下ろす手には明らかに焦りが見える。
トランクス越しのそれは開放感に奮い立ち、そして空哉自らの左手でそれを包みこみ慰めた。
頂点はもう既に滑りを生じ、じんわりをトランクスを濡らす。
何を空哉がしているのか棗も察している。
そんな光景は初めて目にした。羞恥で胸がドキドキする。
―空哉が…、自分で…。
考えると高潮が収まらない。
陰部は一層の潤いを生じた。
じゅぷっ…。
空哉はそれを全て拭い取るように舌を動かす。
溝の奥の方へと絶えず潜りこみながら。
―だめ…、声出ちゃう…!
空哉は空哉でそそり立つそれを抑え切れない。
―こんなとこで出しちまったら…。