旅館-7
2人は、そのまま明け方まで交わり続けた。そして、明け方の交わりで、田沼から何度も強要されながらも拒否していた言葉を、麗子がついに口にしようとしていた。
「いいか、麗子・・。今だけだ・・。今だけでいいんだ・・。演技でもいいから言ってくれ・・頼む・・」
「あぁ・・もう・・。わ、分かりました・・。しゅ・・、主人とは・・。別れます・・。主人とは別れて・・、わたしは田沼さんの妻になりますっ!! だ、だからお願いっ!! 動いて〜〜〜!!!」
「旦那と別れて、俺の子供を産むんだ。それでいいんだな、麗子?」
「は、はいっ!! う、産みますっ!! あなたの子供を・・っ!! 産みます〜〜〜〜っっ!!!! だっ、だから来てっ!! 来てぇ〜〜〜〜〜っ!!!!」
いくら演技とはいえ、決して夫に知られるわけにはいかないセリフを口にした麗子は、男のピストンをねだった。
布団のすぐ隣にあるテーブルにはノートパソコンがあり、2人のほうに向けられていた。麗子は、その画面を通して夫がリアルタイムでその様子を見ているなどとは、夢にも思っていない。
こうして、麗子はたった一晩で田沼とのセックスの虜になり、連絡先を交換した。
夫の昭典には絶対に秘密にすること、そしてこれからは避妊を必ずするという条件を麗子が出し、田沼はOKした。