W REVOLUTOR-4
西進不動産に着いたマギーと森山。一応支店長にアポは取っていた。事務所に入ると支店長自ら出迎えた。
「支店長の永妻俊哉と申します。どうぞこちらに。」
永妻は支店長室に2人を招き入れた。
「以前のビルよりも立派になられましたね。」
サーガ事件の発端となった爆発で、一度建物を全て壊して建て替えた西進不動産ビル。近代風のお洒落なビルに建て替えられた。
「さすがに修理出来なく、建て替えたと聞いております。私は昨年支店長としてここに来たばかりなので、詳しい経緯は報告を受けたぐらいしか分かりませんが。」
「そうですか。」
「あのテロで、殆どの社員が命を落としました。生存者は30人中僅か2人…、いや、真田竜彦を入れれば3人ですね。真田竜彦を抜かした2人のうち1人は退社。その当時を知る者は1人しか残ってません。」
「え?1人残ってるんですか?あの時の生存者は確か…山田優子さんでしたっけ?」
「あ、ご存知で?」
「ええ。事件当時何度もお話を伺いましたので。」
「今いるかな?呼びますよ。」
永妻が電話すると、間もなくして山田優子が現れた。
「失礼します。」
支店長室に入って来た山田優子は、当時のイケイケ風から見違える程の、いかにもキャリアウーマン風容姿に変貌を遂げていた。
「あ、刑事さん!ご無沙汰しております。」
「ご無沙汰です。覚えていてくれましたか?」
「勿論です。テロでパニックになってた私を介抱してくれて感謝してますから、今でも!」
「良かった、元気で。素敵になられて。」
「いえいえ。遊びをやめて仕事に打ち込むようになっただけです。マギーさんの活躍はYour Tubeとかでいつも見てますよ!マギーさん凄いなーって、自分の事のように喜んでます。」
「いやいや、そんな大した事してませんよ。あーでも良かった。元気で。」
当時を懐かしむ2人を穏やかな笑みで見つめる永妻であった。
「あの事件以降、どうですか?業績は。」
「あんな事件の発端になってしまいましたからね。業績は良くないですよ。社員も30人から僅か10人で何とか頑張ってます。昨年私が来てから、ようやく業績が上がった来たとこです。地道にやってくしかないですね。」
「そうですか。支店長様の腕にかかってるって事ですね。」
マギーは運ばれて来た冷たい麦茶を一口飲んだ。