「早くアナルセックスがしたい」-3
「っ…ん、先輩見て…っ…ふ…っ…」
王川君は、去年までずっと童貞だった、らしい。女の人の裸を見るのも初めてだと、鼻血を出しそうな勢いでそう言われた当時を思い出す。あんなに純粋だった男の子が、なんでこんなに性に積極的になるのだろう。営業課は陽キャが多いイメージだからか、もしかしてまわりに色々言われたんじゃないのかとかそんな事を思った。
王子様だなんだと囃し立てられてるこのイケメンに、そんな変な事を吹き込むような奴はいないか、いや待てよ、いるか。男同士ならそんなこともありえるのでは?彼の交友関係についてはよくわからないけれど。
だけど、唯一の同期であった嵐山は、王川君が入社したその日に「あいつ狙おうかな」とか言ってきたから、なんとなくあいつが犯人ではないかと疑っている。
「先輩ぃ…っ、俺の事…見て…っ…」
王川君は可愛い。王川君は、良い子だ。王川君は、エロい。
私の部屋にきたかと思えばベッドに押し倒してネクタイを緩めた彼は、眉をしかめながら熱い吐息を吐き捨てて私にキスをした。
誰だ、誰がこの子をこんな淫らな生き物に育て上げたんだ。私か。
「…見てるよ…?」
「ん…っ…もっと…」
明日も仕事あるからエッチはだめ。私のその言葉に、シュン、と落ち込んだ王川君は、あろうことか身体を起こしてズボンを脱ぎ始めた。
シングルベッドは、大きい体の王川君の動きに合わせて鈍い音を響かせる。ベルトを取ってチャックを開けて、そうして見せられたのが、ボクサーパンツを押し上げている彼のあそこだった。
ギンギンじゃん、え、なんで?そう言いたくなったのを我慢した私を誰か褒めて欲しい。王川君はストリッパーよろしくその太ももにボクサーパンツを滑らせて、下半身を露出させた。
天井に向かって勃起していたそこは、脈打つ鼓動のせいか震えていて、先端から先走っている我慢汁が彼の勃起した裏筋をつーっと伝っていた。
それが多分、十分ほど前の出来事。今は、なぜかわからないけれど、彼のオナニーを見せつけられていた。