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検事 桐生美鈴
【母子相姦 官能小説】

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嵐の前-4

美鈴は、

『他にも贈収賄の証拠になる物が有ると?』

と驚く。刑事達も事の成り行きに驚いていた。山海は頷き、

『ああ、そう言ってるだろう。』
『条件が有るぞ。』

と美鈴を見る。美鈴は構えて、

『条件とは?』

と言うと山海は、

『俺の地元での記者達の事故の事だ。』

と言い、刑事達を見る。山海の地元での政治記者達の事故に見せかけた謀殺容疑の事を指していると美鈴は思った。

『もう、調べが付いているんだろう。』

と山海は悟った様に言う。美鈴が山海を見据えて、

『あなたが仕組んだ事ですか?』

と聞く。山海は血相を変え、

『違う、俺は金と情報で記者達を丸め込もうとしたんだ。』

と言い、

『1人頑固な奴がいて、確実に口を塞ぐと言ってやりやがった。俺は、止めたんだ。そいつの新聞社の支社長を知ってたからな、何とかなった筈なのに。』

と残念そうに言う。続けて

『あんたらが掴んでいるだろうが、俺は生まれつきの女好きだが、無理矢理何て事は無い。みんな事前に了解は取り、金は払っている。あの孕ませた女の子にもな。』

と話した。そして声を潜めて、

『記者達の事故の時に俺の息子が連絡役として、連中と会っていた。』
『息子は、最近俺に付く様になり秘書見たいな事をさせていた。あいつは何も知らん、俺が言ったままに伝言役などを務めただけだ。』
『息子の不起訴が条件だ。駅の再開発以外の証拠をやるのは。』
『まだまだ、時効に程遠い物の証拠が山ほど有るぞ。大物政治家も大勢関わっている物もな。』

と言う。美鈴が、

『連中とは?誰の事ですか?』

と聞くと山海は首を振り、

『情け容赦なく人を殺す連中だ。俺の家族を、息子を殺すかも知れん。誰かは言えない。』

と目を伏せる。美鈴は唸り、暫く考えて

『息子さんの行った全ての事をあなたが指示したと書面にて保証するなら司法取引出来るかも知れません。』
『上と連絡を取ります。』

と言うと山海は頷き、

『連絡を取ってくれ。』
『俺の方の保証は、どうなる?』

と聞くと美鈴は、

『あなたの弁護士立ち会いの元に司法取引のお互いの書面を作成しましょう。』

と話す。山海が頷いたので美鈴は椅子から立ち上がり、

『連絡して許可を貰います。』
『少し待って下さい。』

と面会室を出た。課長に連絡を取り、山海の取引の提案を説明する。課長は新たな贈収賄の証拠に驚くが上との協議が必要だとして暫く待つ様に言って来た。

意外に早く課長から連絡が来て、山海の息子が直接的に記者達の謀殺に関わって無いか聴取が必要だとして、弁護士立ち会いでの聴取が条件とされた。

美鈴は、まだ面会室で待っていた山海にこの事を告げる。山海は、息子は記者達の死には関係無いと断言し、息子の聴取を認めた。美鈴が、

『駅の再開発の贈収賄の証拠品は渡して貰えるんですよね。』

と確認すると山海は、話は終わったとばかりに立ち上がり、

『ああ、あんたのトコに持って行かせる。』

と言うと面会室を出て行った。美鈴は、地検に戻る車中で山海の言っていた事を考えていた。山海が、誰かに操られて美鈴を襲ったと主張した事だ。普通に考えれば、滑稽無糖のあり得ない話だ。だが、山海が自分を襲っていた時美鈴は山海の顔をはっきりと見ていた。

山海の顔は、表情が無く目も何とか開いていると言った様子なのを思い出す。怒りや憎しみで自分を襲っている様には見えなかった。山海を襲った男も、山海と同じ様な話をしていた事を思い出す。それに、地検での襲撃事件の直前山海のスマホに通話記録が有ったと聞いた。

発信元のスマホは、直前に盗まれた物だったらしい。これも山海を襲った男の時と同じだった。美鈴は、山海の話を鵜呑みにした訳では無いが薄気味悪さを感じていた。山海の言葉通り山海の地元の駅再開発の贈収賄の証拠はすぐに地検に美鈴宛で届いた。

ざっと目を通した感じでは、国会議員が複数人入っており、現役閣僚の名も有り、首相の側近とされる大臣も含まれていた。県会議員、市議会議員、官僚を含めると10数人を数えた。

政権に衝撃を与える物になると美鈴は思った。元々警察から依頼され山海と面会して得た物なので面会に同席した刑事に渡した。警察の担当課が捜査する事になる、美鈴も担当検事の1人になりたかったが今のところ話は無かった。



 美鈴は、仕事が終わると猛の見舞いに病院に向かう日々を過ごしていた。公用車の運転手や警護の警官に申し訳無いと侘びると彼らは、恐縮し全然問題無いので時間を気にしないで欲しいと言ってくれた。猛は、日々元気になって行く様に思えた。

昼間医師の回診で若い為かかなり治りが早いと驚いていたと父親から報告が有る。ドレーンも取れ、食事も普通食になって食欲も旺盛との事だった。猛は逆に美鈴を気遣い、もう自分は平気だから毎日見舞いに来なくて良いと言ってくれる。だが、美鈴は毎日行かずにおれなかった。行かないと落ち着かないのだ。







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