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検事 桐生美鈴
【母子相姦 官能小説】

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悪党達の末路-1

山海の提供した駅再開発の贈収賄の証拠品を得て警察が動き出し、関係者の聴取が秘密裏に行われたにも関わらず、案の定メディアに知られる事になる。現役の閣僚で首相の側近も対象と分かり大騒ぎとなった。

警察は、世間に公になった為に一気に進めようと一斉家宅捜索や容疑者の聴取を大々的に始める。領収書や念書、金品受け渡し時の映像が決め手となり容疑を認める地方議員や関係者が出て来る。

国会議員や官僚の弁護士から映像が盗撮で違法だと抵抗するが、映像はドライブレコーダーや防犯カメラの物がほとんどで警察は、盗撮には当たらないとした。 

検察は、山海の息子の聴取を弁護士立ち会いの元に行い、直接記者達の事件には関与していないとの供述だったので司法取引が認められた。

山海と弁護士立ち会いのもと、司法取引を取り交わした書面を作成する。すぐ様、山海側から膨大な過去の贈収賄の証拠品が提供された。後に「山海文書」と言われる物は、大小公共事業に関わる物で時効前の案件も多数有り、検察側は時効まで時間の少ない物から立件する事になる。

美鈴のチームにもその内、「山海文書」案件が回ってくると予想された。そんな中、山海の息子が襲われる事件が発生する。犯人は、複数人で目出し帽に刃物で襲ったとの事、すぐに警官が駆け付け軽傷で済んだ。山海が司法取引の時に家族の警護を要求していたのだ。

だが家族は警護には消極的で目立た無い様との要求だった。その為、少し離れての警戒警護だったので襲撃を許してしまったのだ。山海は、その話を聞いて激昂したと言う。



美鈴が面会時間まで後少しのところで何とか猛の病室を訪れる事が出来た。猛は、体調もだが表情も明るくなり元に戻っていると美鈴は感じた。今日もまた、琢磨が見舞いに来てくれたらしい。

琢磨は、猛が良くなったら有名な大型レジャー施設に行こうと誘って来たと言う。本当に、琢磨には感謝しか無いと思う美鈴だった。




 
 大原源蔵は面白く無さそうに、何杯目かのウイスキーをあおる。飲まないとのやってられないのだ。

『ヘボ幹事長は、アバズレ仕留め損なった。』
『ヘボの息子もだ。』
『どうなってだ、黒川!』

と怒鳴る。黒川は頭を下げ、

『すいません。』
『幹事長の息子は、最初から始末する予定では有りませんでした。』
『警告の為に襲ったのです。』
『幹事長には、伝わったと思います。』

と言う。山海が検察側と息子の為に記者達の事件で取引をしたと言う情報は政官の人脈より得ていた。山海は、共犯者の名を明かしていないと言う。

色々と知り過ぎた山海の口を確実に閉じさせておくには、溺愛している息子に対して行動を起こすべきだと黒川が提案したのだった。源蔵は、始末しても良いと言ったが黒川はそれでは返って山海を完全に敵に回すと止めたのだ。源蔵は睨む様に黒川を見て、

『俺の贈賄の裁判は、どうする?』

と言う。黒川は平静に、

『方針を変えましょう。』
『全ての黒幕を幹事長にするのです。』
『警察は、幹事長の地元の記者達の事故に関して再調査と隠蔽に加担した疑いで県警に査察を行っています。』
『残念ながら、いずれ真相は分かってしまうでしょう。』
『その事故の原因となった妊娠した女子高生や堕胎手術をした医者は、今のところ検察側に証言を拒んでいます。』
『我々の方に取り込み、こちらの証人として申請しましょう。』
『女子高生を妊娠させ、違法な堕胎をさせた悪徳幹事長と世間に印象づけるのです。』
『会長は、その悪徳政治家に事業存続を人質に取られ脅された実業家と言う訳です。』
『この際、執行猶予でもやむなしで行きませんか?』

と長々と説明し、提案する。源蔵は不機嫌そうな顔で思案していたが、

『しようが無いか。』
『女子高生と医者捕まえとけ、金たんまり払え。』

と諦めた様に話す。そして笑い、

『俺が脅された哀れな実業家か。』
『記者会見でハンカチ持って泣かないとな。』

と言う。黒川が頷き

『良いですね、お願いします。』
『後、裁判で証人の幹事長の秘書達の居所を探させています。見つけ次第始末します。』
『もちろん、幹事長の仕業に見せ掛けて。』

と付け加えると源蔵は黒川を見て、

『お前は俺以上の悪党だな。』

と笑うと黒川は、

『恐縮です。』
『ですが、会長にはまだまだ及びません。』

と話す。源蔵は高笑いして

『言うじゃねえか。』

と言う。黒川は時計を見て、

『そろそろ、料亭に行く時間です。』

と言うと源蔵は顔をしかめて、

『こんな早い時間からか。』

と溜息を付くと黒川が、

『すいません。』
『本日は、会長への面会希望者が多いのです。』

と頭を下げる。源蔵はつまらなそうに、

『俺の金をむしりに来る連中がわんさかいる訳だ。』
『碌なもんじゃ無いな、政治家や官僚は。』
『本当に泣きたくなるな。』

と呟くと高級な椅子から立ち上がる。そして黒川がドアを開けて待っている方に歩きだした。源蔵がエレベーターで無駄に広々とした一階に降りてビル正面出口に歩いて行く。

源蔵に気付くと社員達が90度に体を折り深々とお辞儀をする。お辞儀の仕方が悪いと左遷された社員もいる。源蔵の登場自体がプレッシャーの塊だった。

ビル正面につけられた外国製高級車に向かって源蔵が歩いて行く。秘書室の社員達が車まで車幅の列を二つ作って深々とお辞儀して源蔵が車に到達するのを待っている。


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