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検事 桐生美鈴
【母子相姦 官能小説】

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嵐の前-3

刑事は政治記者達の事件前後、大原の秘書黒川と関係が疑われる者達の姿が確認されている言う、

『黒川、ご存知ですか?』

と刑事が聞くと美鈴は頷き、

『目的の為には手段を選ばないと評判の男ですね。』
『実は、山海が妊娠させた女子高生の周りや堕胎を行った産婦人科医の周りでも黒川の関係者が目撃されています。』
『その者達は、反社の者では無いものの反社と関わりが深いとされている者達です。』
『氏名不詳、住所不定の連中で痕跡を残しません。』
『今回も偶然から連中の暗躍を推測出来たのみです。』

と話すと刑事が驚き、

『山海の地元に現れたのもそんな連中です。』

と言う。刑事が

『至る所に黒川の、大原の影が付いてきます。』
『だが、中々シッポを出さない。』

と渋い顔をする。そして美鈴を見て言いにくそうに、

『実は、別件でもお話が有りまして。』

と言う。少し間が有る、美鈴が笑顔で

『どうぞ、おしゃって下さい。』

と促すと刑事は、

『山海は我々の課で取り調べているんですが、桐生検事に会いたいと言っているんです。』
『断ったんです!ふざけるなと。』
『何か大きな贈収賄の証拠を持っていて、面会で提供するかも知れないと。』

と申し訳無さそうに言ってくる。美鈴は頷き、

『会います。』
『山海は、地元の駅再開発絡みの関係者、国会議員や地方議員、官僚への贈収賄の証拠を持っている様です。』

と言うと刑事が、

『断っても良いんですよ、検事。』
『ついこの前に襲って来た男と会う何て、頼んどいて何ですが。』

と言う。美鈴は微笑み、

『本当に、大丈夫です。』
『面会だけであの証拠品が手に入るなら安い物です。』

と請け負う。刑事は済まなそうに頭を下げた。すぐに面会の為拘置所に行こうとなり、課長に報告に行くと

『私も会う事は勧めないが。』

と止めるも美鈴は、

『是非、行かせて下さい。』

と要請する。課長は渋々了承して、少し待つ様に言うと電話をした。内容から面会についての様だった。向こうの話を聞いて、

『間違いが起こらない体勢で、面会に臨んで貰いたい。』

と強めに話している。電話が終わり美鈴を見て、

『警察の上層部からの依頼だそうだ。』
『現場の刑事達は反対した様だが。』
『向こうの部長とは知ってる仲だ、安全に充分に配慮すると言って来た。』

と話す。美鈴は課長の心遣いに感謝した。山田に面会の話をして拘置所に出向くと言うと、やはり反対するが警察が十分に安全に配慮してくれるし、何より贈収賄の証拠を得られる可能性があると説得した。




 拘置所での面会は、拘置所の刑務官達と特別に警察の山海担当課の捜査官達が複数立ち会った。山海は、美鈴と2人きりの面会を要望したが、拘置所側と警察が拒否した。美鈴は、構わないと申し出たものの警察から万全の体勢で面会に臨むと検察側に約束したと言われ叶わなかった。

容疑者と面会人の間は、上は強化ガラスで下は頑丈な壁で仕切られているが、地検での山海が起こした襲撃事件が地検や警察、拘置所に過大な警戒心を抱かせた事は間違い無い。

国会議員で与党の幹事長と言う立場が有ったとはいえ、車椅子にナイフを仕込むと言う予想外の手法で地検のセーフティゲートを潜りぬけた。山海への念入りな身体検査の末ようやく面会が認められた。

美鈴は山海が頑なな態度になり証拠品提供を渋ると成果が得られないとして、二つの約束を求めた。一つは、話すのは美鈴だけにする事。もう一つは、美鈴に危害が加えられそうな場合以外は、静観している事だった。拘置所側も警察も了承してくれた。

美鈴が面会室に入ると、山海は両手首と両足首に手錠をされて椅子に座って真っ直ぐ美鈴をみていた。美鈴は、70過ぎの老人にやり過ぎだと思ったが美鈴の安全の為だと言われれば何も言え無かった。美鈴側に刑事が2人、山海側に拘置所の警備官が2人いる。美鈴が椅子に座ると、

『先ず、あんたとあんたの息子さんに謝りたい。』
『信じられ無いが、テレビニュースの録画を見せられて分かった。』
『どうやら、俺があんたを襲ったのは事実の様だ。』

と言う。山海は拘置所の取り調べで自分が起こした襲撃事件を全く覚えていないと言ったらしい。目が覚めたら逮捕されていた状態だとも述べたとの事だ。美鈴も、

『私も信じられ無い思いです。国会議員で与党幹事長と言う重責を担う人物から襲われる何て。』

と返す。山海は渋い顔で美鈴を見て、

『俺は、誰かに操られていたんだ。』
『あんた達は、信じようとしないが。』
『俺は、二度目だから分かる。一度目のクラブで飲んだ時だ、テレビにリークされた。』
『あの時も何も覚えておらず、目覚めたらクラブの盗撮映像が出回っていた。』
『どうやってるかは、分からないが。』

と面白く無さそうに言う。

『だが、誰がやらせたかは分かる…』

と呟く。美鈴は、

『誰がやらせたのですか?』

と聞くと山海は首を振り、

『本題は、それじゃ無い。』
『あんたにプレゼントが有る、罪滅ぼしじゃないが司法取引の時に見せた証拠品だ。』
『あんたにくれてやる。』

と言う。美鈴が勢い込み、

『無条件で下さると。』

と言うと山海は頷く。

『そうだ。』
『それに、あんたがある条件を飲めば更にあんたらが欲しい物が手に入る。』

と言う。美鈴は、

『有る物とは?』

と聞き返すと山海は笑い、

『駅の再開発の時だけじゃ無いのさ。裏切らない為の証を取って置くのは。』

と言う。


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