上原若菜 1-10
俊介は若菜の頭を撫でる。
「いい女だな、若菜って…」
無意識にそう言った。
「チュパ…、何よぅ、今更ぁ…」
「いや、いつも思ってるけどな。」
「ンフッ、チュパ、チュパ…」
フッと笑いながらも嬉しそうな若菜。ますますフェラチオに心がこもる。口元は2人の排出精液と涎ではしたなく汚れている。しかしそれを含めて若菜が美しく見える。
「若菜が妻になってくれて良かった…。幸せだ。」
若菜にとって嬉しい言葉は続く。しかし俊介を愛する上で絶対に忘れられない事がある。それは…。
「チュパっ…、ホントは先輩が俊介の奥さんになるはずだったんだもん。先輩が俊介に与えるはずだった幸せは私が与えてあげなきゃいけないから…チュパ、チュパ」
若菜の心から静香が消える事はない。ずっと胸の中に居続けている。
「若菜、もういいんじゃないか?若菜は静香の代わりじゃない。俺は若菜と結婚したくて結婚したんだ。」
もう若菜は十分すぎるほどに頑張って来たし、それはいつも言っていた。しかしなお静香を忘れられない若菜を気遣う俊介である。
「チュパ、うん、わかってる。それは。ありがとう。でも私にとって先輩は特別なの。」
「先輩の背中を追う事が私の人生の支え、だよな?」
「うん。チュパチュパ…。先輩だったらもっと凄い刑事になってる、私が警視総監なら、先輩だったら総理大臣になってるはず、先輩だったらもっと俊介を幸せにしてるはず…、そう思って頑張って来たし、これからもそう。それが私のモチベーションだから。チュパパッ…」
これまでも幾度となく聞いた答えだ。これからも変わらないだろう。そう思いながらも俊介はついつい聞いてしまうのであった。
しかし若菜はこれまで言った事のない言葉を口にした。
「チュパ…、でもね…、最近少し気持ちが変わった事があるの…。」
「どんな気持ち?」
「それはね…、俊介を愛する気持だけは先輩に負けないって思えるようになったの。これだけは先輩に勝つ自信があるし、負けたくないって思うようになったの。もし今先輩が現れたら、私は必死で俊介にしがみついて離さないと思う。先輩にも取られたくないの。俊介や今の幸せを。呪われてもいい、私は先輩に俊介を取らないでって言っちゃうと思う。チュパパッ…。」
「若菜…」
「先輩と私、どっちを取る??って意地悪な質問はしない。私は俊介が私を取ってくれるって信じてるから。チュパっ、チュパっ…」
俊介の気持ちにも何の躊躇いも迷いもなかった。
「若菜、俺はあの時荒んだ俺を救ってくれた時から若菜だけを愛してるんだよ?ずっと若菜だけを愛して来たよ。俺も呪われてもいい。静香じゃなくて若菜を取る。」
その言葉が物凄く嬉しかった。
「俊介ぇ…。」
若菜の目から涙がスーッと落ちる。そんな若菜の頭を優しく撫でる俊介。涙を流して鼻を啜りながらフェラチオを止めない若菜が愛おしくて仕方がなく感じるのであった。
夫婦の夜はまだまだ続く…。