禁じられた恋-9
9.再会
(美希とは、まだ終わっていない)
久子と別れた後、美希えの想いは募るばかりで、美希以外の女と結婚をする気持ちはさらさら起きない。美希からは、季節の挨拶以上の便りは来なかった。美希が結婚をしたと言う話も、伝わってこなかった。美希が結婚をするなら仕方がないが、それまでは、自分の結婚のことは考えないことにした。
欲情をすると、ティッシュを掴んで、ベッドに入る。
目をつぶれば、そこにはいつも美希がいた。最初で最期の交わりのあったあの夜の美希が、白い肌を露にして、佳和を待っている。
重ねたティッシュを亀頭にあてがい、肉棒を扱く。
(アアア〜美希ちゃん、いいよ〜いい〜いい〜いい)
睾丸がきゅんと縮んで、精液が肉棒を走り抜ける。手にしたティッシュが、ほんのりと暖かくなる。精液が漏れないように気をつけながら、鈴口を拭う。
佳和の母親が心不全で倒れて、お茶の水の病院に入院した。取り敢えず命はとりとめたが、医者はいつ亡くなってもおかしくないと言う。
身近な親戚が次々と見舞いに訪れた。
「どうもご無沙汰しました。その節は大変お世話になりまして・・・」
聞き覚えのある声に佳和が振り向くと、紺のスーツを着た美希が立っていた。小さな女の子の手を引いている。
「あっ、美希ちゃん」
「お母さん、いかがですか?」
「うん、何とか命はとりとめたけれど、まだ油断は出来ないんだ」
「すっかりお世話にになったのに、何のお返しも出来なくて、申し訳ありません。未だ勉強中ですが、お陰様で何とかやっていますので、この度は何かお手伝いできればと思ってやってきました。なんでも言いつけてください」
「いやあ、それは助かるよ、何せ男が二人そろっても、女の世話となると手も足も出せなくてねえ」枕元にいた父親が笑顔で答える。
「美紀ちゃん、母は今寝ているので、一寸あちらで一休みしてください」
佳和は美希を喫茶室に案内した。
「美紀ちゃん、結婚したの?」
「あら、どうして?」
「この児、名前は何て言うの?美希ちゃんの?・・・」
「名前は美佳、結婚しなくても子供は出来るのよ、誰かに似ていると思わない?」
「えっ・・・もしかして3年前の???」
「そう、その3年前なのよ」
「どうして知らせてくれなかったんだい」
「あの時は、そんなこと言える状況じゃなかったでしょ?」
「分かった、今度ははっきりしよう、結婚しよう」
「お母さんはいいの?」
「良いも悪いもないよ、僕が悪かった、でも嬉しい」