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香澄の本性
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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家族旅行での出来事 同窓会タイム 1-6

匠も、綾乃も、そのまま黙ってしまった。
史恵は呆然と立ちつくし、史恵も綾乃の肩に手をやり、涙を浮かべている。

誰も言葉がなかった。

その中で、意外にも冷静に話をし始めたのは雅和だった。
「匠君。綾乃さんとはもう少し時間をかけて話した方がいいんじゃないかい?
 香澄にも言いたかったことがまだあるみたいだし……。」
「雅和さん。すみません。昔のことでごたごたしてしまって……」
「いや、その、雅和さんっていうのも、止めにしましょうか。
 ボクも匠って呼ばせてもらいますから。
 そのうえで提案なんだけれど……。」
「提案?」

「ああ。ボクは君たちが来たらすぐにでも、 
 3組の夫婦交換を始めるつもりでいたんだ。
 史恵さんもそのつもりで段取りをしてくれていたからね。
 でも、今思ったんだ。
 その前に、ワンクッションあった方が、
 物事がスムーズにいくんじゃないかってね。」
「ワンクッション?あなた、それってどういうこと?」

「つまりね……。
 どうだろう。本当に、同窓会を意識して、時間を過ごしてみたら。」
「同窓会を意識する?
 あなたが言っている意味がよくわからないわ。」
「だから……。匠君と、君と、
 綾乃さんと史恵さんだけの時間をとるっていうことさ。」

「それが同窓会を意識するっていうこと?」
「ああ。そういうことさ。
 このまま夫婦交換を始めても、
 話題はお互い夫婦のことじゃなくって、
 高校時代の思い出話になるだろ?
 そうなると、ボクもだけれど、哲郎さんだって話に入ってはいけない。
 もちろん、刺激的な話も興味深い話もあるだろうけれど、
 香澄たちだけにしか通じない話題だってあるだろ?」

「確かにそうね。
 それをいちいち説明するのも大変かもしれないわ。」
「ええ。わたしだって、哲郎に話していないこと、たくさんあるもの。
 匠君と綾乃が初めて来た時だって、しばらくは思い出話だけだったものね。
 その間、哲郎は蚊帳の外だったわ。」
「ああ。聞きたいような、聞いてはいけないような話もあったみたいだからね。
 ぼくも、その時は話がひと段落するまでは加わらずにいた。」

「なるほどね。哲郎さんもそうだったんだ。 
 つまりそういうことさ。
 今日は、そこに香澄まで加わるわけさ。
 さっき、ちらっと聞いただけでも、
 匠君と香澄の心の繋がりはまだ続いている。
 でも、匠君は綾乃さんと結婚した。
 昔のこととはいえ、そのあたりの整理をつけて、お互いに納得しないと、
 せっかくの夫婦交換の刺激が半減してしまう。
 そう思わないかい?」
「あなたの言うこと、なんとなくわかったわ。
 高校時代の忘れ物やすれ違いをしっかりと解決しろっていうことね。」

綾乃も少し落ち着きを取り戻し、ゆっくりと話し始めた。
「わたし……。
 香澄に、申し訳ないっていう気持ちを持ち続けるのは正直つらいもの。
 許してもらえるかどうかはわかはわからないけれど、
 きちんと伝えたい思いはあるの。」

4人の表情を見ていた雅和は、にこやかに言った。
「ま、どうすることが解決につながるのかは、
 当事者である香澄たちに任せるとして……。
 哲郎さん。ボクたちは席を外す、というか……。
 午前中は香澄たちと別行動っていうのはどうですか?」
「なるほどね。同窓会に部外者は必要ないってことかな。」
「まあ、仲裁役として参加するっていう手もあるとは思いますけど、
 香澄だったら、その必要もないかなって思うんです。」
「さすが、雅和さんは香澄さんへの信頼が絶大だねえ。」
「いや、信頼しているかどうかは別として、
 香澄にとっての一番が何かを考えたら、
 人間関係にわだかまりを持ち続けることが、 
 いかに無駄なことかをよくわかっていると思うんです。」

「わだかまりは無駄?ほ〜。そう言い切りますか?」
「ええ。その先にある楽しみのためにも、時間を有効に使うためにも、
 捨てられるわだかまりは早めに捨てたほうがいい。
 言ってみれば、損得勘定です。」
「なるほど。そう言われれば分かりが早い。
 取り戻しようのない過去にこだわり、わだかまりを持ち続けるのがいいか。
 さっぱりと水に流して、先にある楽しみを享受した方がいいか。」

「まあ、ここまで話せば結論を言っているようなものですけれど。 
 そこに至るまでの時間と懐かしむ時間も大切ですから。」

「ところで、別行動と言っても、雅和さん、あてがあるんですか?」
「実は、娘の様子を、そっと見に行こうかなと……。」
「娘さんの様子?真奈美ちゃん、でしたね。」
「ええ。もしも哲郎さんもご一緒していただけるのなら、
 少しご相談というか、お願いしたいこともありまして……。」
「なるほど。雅和さんがそう言うのなら、
 きっとそれも、真奈美ちゃんの過去についての悩みなどではなく、
 真奈美ちゃんのこれからに関係することなんでしょうね。
 わかりました。何でも言ってください。
 雅和さんのため、いや、真奈美ちゃんのために、力を貸しましょう。」

「香澄。そういうことで、ボクたちはこれから真奈美の様子を見に行ってくるよ。
 哲郎さんの力を借りて、試したいこともあるんでね。」
「試したいこと?あなた、何をしようとしているの?」
「ま、ここはボクに任せてくれないか?
 そうだ。時間を決めよう。
 ボクたちが戻ってきたら、同窓会は終了。
 その後は3組での夫婦交換だ。時間は……1時まで。」
「その後、昼食をとっていただいて、って言う感じですかね。」
「昼食を?用意していただけるんですか?」
「いや、簡単なものです。旅館としてお出しするわけではないので。」


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