家族旅行での出来事 3組の夫婦交換 1-2
「ほら、香澄、いい眺めじゃないか。
あの向かい側の山に向かって思いっきり叫んでみればいい。
史恵さんのメッセージにもあっただろ?」
「いやよ。もしも誰かに見られたり聞かれたりしたらどうするの?」
「あれ?見られたり聞かれたりしたいんじゃないのかい?」
「アン。なにをバカなこと……あうっ。い、いいわ。ね、ね、もっと突いて。」
香澄は手すりにつかまったまま腕を突っ張り、お尻をさらに突き出した。
雅和は香澄の尻に自分の腰をぶつけるように激しく動き始めた。
香澄は手すりを握りしめ、頭を下げながら、夫の突きを受け止めていく。
「あ、あうっ。そ、そこ、い、いい、いいわ。
ね、ね、叩いて。お尻、叩いて。」
雅和は香澄の腰から手を離し、香澄の太ももから尻にかけて叩き始めた。
〈バシッ バシッ〉
乾いた音が前の山にぶつかり、コダマとなって戻ってくる。
「へ〜。確かにヤマビコだ。」
雅和は気をよくして、さらに力を込めて、香澄の尻を叩く。
「あ、ああ、い、いいわ〜。」
香澄は頭を上げ、前の山を見ながら声を上げ始めた。
「あ、い、いい。そ、そこ。もっと、もっとよ。あ、あ、あなた。
突いて。もっと、もっと激しく。
ああ、いいわ。叩いて。ねえ、もっと、もっとよ。」
「どうだ?いいか?」
「いい。いいわ。あ、あな、た。」
「哲郎さんのペニスと、どっちがいい?」
「あ、あな、た、よ〜。あなたの、ペニスが一番、だわ。」
「じゃあ、征爾さんのペニスと比べたら、どうだ。」
「ああ。もちろん、あなたのペニスよ。
わたしのオマ〇コに、一番合っているの。
ぴったりはまってるのよ〜。」
香澄が大声で喘ぎ続けていると、
1台の車が細い坂道を旅館に向かって下りてくるのが見えた。
「あ、あなた。誰か、誰か、来た、みたい。」
(あれが……。もしかしたら、匠……くん……。)
香澄は出そうになる声を必死にこらえ、腰の動きを止めた。
夫はそんな香澄にかまわず、一向に腰の動きを止めない。
「ね、ね、あな、た。止めて、一度、止めて。」
香澄は後ろを振り返り、雅和の顔を見て言った。
「いいじゃないか。
予約客は、どうせ香澄の顔見知りなんだ。
ご挨拶代わりに香澄の喘ぎ声を聞かせてやればいいさ。」
そう言いながらも、雅和は腰の動きを止め、香澄の背中に抱きついてきた。
「ほら、もうすぐ車止めに着く。誰が下りてくるのやら……。」
車は旅館の玄関前に横付けされる。
屋上からは、助手席側が玄関の屋根に隠れているが、運転席側は見ることができた。
声を潜めていると、史恵らしき女性の弾んだ声が聞こえた。
「お待ちしていました。」
助手席側の人物が車を降りたのだろう。
ドアを閉める音がする。
それを待っていたかのように、雅和が、
香澄の股間をまさぐりながら、一気に腰の動きを速めた。
「アウッ、ダメよ、あなた。」
「いいじゃないか。歓迎のご挨拶さ。
香澄の存在を知らせてやれよ。」
「あ、あ、あ、す、凄い。だ、駄目よ。声が…声がでちゃ…うぅ。
ア、イ、イイ、ウッウッウッ……。」
運転席側のドアが開いた。
「…………?」
車から出てきたのは、女性だった。
髪の長い女性であることはわかったが、
真上から見てる限りでは顔は確認できない。
背伸びをしながら深呼吸をし、しばらく辺りを見回している。
(匠君じゃ……ない……?)
香澄は耐えきれずに喘ぎ声をあげながら、
いつの間にか夫の腰の動きに合わせ、腰を振り始めた。
女性は男性従業員に車のカギを渡すと、ゆっくりと歩き、
そのまま建物の中に消えていった。
「あ、あ、あなた……。」
雅和は再び香澄に後ろから抱きつき、一緒に玄関前を覗き込んだ。
「どうだい?誰だか分ったかい?」
香澄は膝をがっくりと折り、思わずその場にしゃがみこんだ。
「ううん。でも、運転していたのは女性だったわ。」
「運転をするのが男性とは限らないさ。
奥さんが運転して、旦那は助手席っていうことだって、
世間じゃ珍しくもないだろう。」
確かに夫の言うとおりだった。
運転していたのが女性だからと言って、
来た客が匠ではないということにはならない。
屋上からは見えない、助手席側から降りたのが匠だったかもしれないのだ。
「ね、ね、あなた。早く戻りましょ。」
「おいおい。途中で、いいのかい?」
「だって、湯船の中であれだけいったのよ。
食後の腹ごなしどころじゃないくらい、動いたわ。」
「おいおい。動きまくったのは、ボクの方だろ?」
「そんなことより、早く下に下りましょ。
史恵が……待っているわ。」
「史恵さんが、じゃないだろ?匠君が、じゃないのかい?」
「だから、匠君かどうかわからないから、早く行きたいのよ。」
香澄は雅和の答えを待たずにすぐに歩き始めた。