娘の音-3
「やだ、露骨に目を向けないでよ」
大輔の視線を遮るように、優希が股間を手で隠した。
「す、すまん」
慌てて視線を逸らそうとしたが…
「待って!そのまま見てて」
優希が制した。
「今、脱ぐから」
驚きで目を見開く大輔の前で、優希は短パンのボタンを外し、チャックを下げた。大輔の視線を意識しながらウエスト部分を持って下にずらすと、尻に掛かる抵抗が無くなり、短パンがストンと落ちた。大輔の目の前に、優希の下着が現れた。
「ごくり…」
「うふふ、やらしい目」
僅かに割れ目に食い込む下着を前に、生唾を飲み込んだ大輔は、この場が優希に掌握されていることを自覚した。大輔はただ、次に優希の手が掴んだ下着が下げられるのを、期待に満ちた目で見ているだけだった。
しかし、ウエスト部分を僅かに下げたとき、優希の動きがピタリと止まった。
(どうした?)
大輔の目が瞬時に曇り、困惑の視線で優希を見上げた。
「でもね、見せるには条件があるの。それを飲んでくれたら見せてあげる」
それはそうだろう。大輔の脳裏に、小遣いアップの要求が浮かんだ。娘も高校2年生だ。なにかと入用だろうと。
「わかった。なにか買いたい物でもあるんだな。それは高いのか?」
娘の股間を前に、天秤の壊れた大輔は、どんな高額な物でも買ってやろうと思った。
「違う違う。そんなんじゃないよ」
「まさか、留学したいとかじゃないよな」
それには堪えられない。大輔の口調が少し強くなった。
「違うったら」
「じゃあ、条件ってなんだよ」
「もお!お父さんが先走って喋るから言えないんじゃないの。もういいよ。やめるから」
優希は下げかけた下着のウエスト部分を引き上げた。
「す、すまん。もう言わないから、条件を教えてくれ」
「謝りながらどこ見てるのよ」
もちろん、ウエスト部分を引き上げたことで、食い込んだ割れ目部分だ。
「すまん…」
「うふふ、いいのよ。じゃあ、言うね。見せる代わりに、お父さんにはその責任を取って欲しいの」
「どういうことだ?」
「あたしとセックスして欲しいの」
「なんだって!!」
この日一番の驚きの声が出た。そんな大輔を見ながら、優希はついにこの日がきたんだ。と、感慨深げに思った。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
物心ついたときから父親っ子で、母親の浮気が原因の離婚では迷わずに大輔を選んだ。大輔が不憫で、家事も手助けも進んすることにした。そして、交代制で家事をする今の形になったのだ。
『パパのお嫁さんになる』
幼少の頃に聞く言葉は、思春期になれば雲散する。しかし、優希は違った。
『あたし、お父さんの奥さんみたいね』
ある日、家事をしているときに、ふと口にした言葉が、妙にしっくりときたのだ。それが優希がオナニーを覚えた時期と重なり、自然と性の対象が父親になったのだ。
もちろん、その想いは心に秘められた。しかし、オナニーするときはその封印を解き、父親にされることを妄想しながら、自身で与える快感を味わっていた。
しかし、その秘められた意識を解放する出来事があった。淫乱さが芽生えつつあった優希は、なにかオナニーのネタが無いかと、大輔の部屋を物色したときに、机の引き出しの奥にそれを見つけた。
(もしかして…)
そのUSBメモリーを手にした瞬間、優希の女の勘が働いた。